たっちゃんの古代史とか

誰も知らない日本とユーラシア古代史研究。絵も本も書く。闇の組織に狙われてるアマ歴史研究者。在宅お仕事中。

天空の雷神が地下の黄泉にいるのは何でだろ~と考えたら落雷で答えがでた

ふつうはゴロゴロの雷を引き起こす雷神って、天上界にいるもんだって思いますが。

日本神話見ると「雷神は地底にいる」んですよね。これは何でか気になったので考えてみたわけです。

 

 

日本神話でわかる地底の雷神

雷神 - Wikipedia

 

どんな雷神が、天上や地底に存在してるのか、ちょっと紹介したいと思います。

 

八雷神(やくさいかづちのかみ)

記紀の神代の記述を見ると、最初に登場する雷神が八雷神(八色雷公)でした。

死んだ妻イザナミを追いかけて、黄泉の国にノコノコと向かったイザナギ

黄泉で対面できたイザナミでしたが、身体には蛆が集って、頭に大雷(おおいかづち)、胸に火雷(ほのいかづち)、腹に黒雷(くろいかづち)、女陰に拆雷(さくいかづち)、左手に若雷(わかいかづち)、右手に土雷(つちいかづち)、左足に鳴雷(なるいかづち)、右足に伏雷(ふせいくかづち)という、八雷神が取り憑いているという、悍ましい姿を見ました。

これらの八雷神は、元々黄泉の世界に存在してたんですが、あらゆる神を創造したイザナギイザナミが生んだ神の一種だったので、雷神はイザナミの身体に憑いたのだと思われます。

 

黄泉大神(よもつおおかみ)

 

八雷神が取り憑いている黄泉大神もまた、雷神の一種になったと言ってもおかしくないです。黄泉大神とは元々は創造神イザナミであり、そのために完全に黄泉の支配者となっており、人々に死をもたらす邪悪な存在として描かれてます。

黄泉大神には多数の黄泉醜女(よもつしこめ)が付き従っており、まさに最強のゾンビ軍団。

この黄泉の件がなんか、日本の歴史上で最初のホラー小説みたいなもんだった、と言っても過言じゃないですね。

 

素戔嗚尊(すさのおのみこと)

創造神イザナギが読みから帰還して阿波岐原で禊ぎ祓いをしたとき、三貴士と呼ばれる天照大神月読命素戔嗚尊が生まれました。

素戔嗚尊は嵐の神であり、冥界の神でありました。嵐はしばしば雷を伴うので、雷神的な神格を持っており、「鳴」は雷鳴を表すようです。

雷神は古代には「鳴神」とも呼ばれてたし。

そんなスサノオは冥界(地底世界)の神でもあるので、地底にいる八雷神と重なってますね。これは親であるイザナミ(黄泉大神)が、冥界の雷神であることに関係するようです。

 

御雷神(たけみかづちのかみ)

御雷神は武甕槌命ともいい、神産みでイザナギ軻遇突智(かぐつり)を斬り殺した際に、天之尾羽張(あめのおはばり)という十束剣の根元についた血が、岩に飛び散って生まれたとか。

その後、鹿島神社の神となってますが。

雷神が岩から生まれるというのもなんか、地面や地下に雷の要素があることに関係する感じがしました。

ちなみに武御雷神は北欧神話の雷神トールと関係すると思うのですが、その理由は以下で。

 

・・・

ちなみに風神雷神絵図で知られる雷神だとか、上賀茂神社賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)や、天神で学問の神で雷神の菅原道真などは、地底には関係ないみたいです。

 

 

 

海外の地底の雷神

 

雷神が地底にいるみたいな神話。これは日本に限らないんじゃないかと思いまして、ちょっと調べてみました。

 

雷神トール

トール - Wikipedia

北欧神話の雷神トールはアース神族の神で、最高神と崇められました。

ミョルミルと呼ばれる槌(ハンマー)を持っており、頭に砥石か火打ち石が入っているので乱暴者だとか。

トールは巨人族と戦うために地底に行くことがあり、地底の大蛇ヨルムンガンドと戦ったとか。

要するに「雷神が地底に行く」という発想は、欧州にもあったようです。

日本の武御雷神=武甕槌命は、雷神であり「槌」を名にもち、岩から生まれてるのですね。雷神で槌と石を象徴するトールとの関連を感じてしまいますね。

 

オーディン

オーディン - Wikipedia

北欧神話では、オーディン天地創造の神の1柱で、知恵、癒やし、戦争、魔術、狂気など象徴する万能の神だとか。

世界樹ユグドラシルの地下にはミーミルの泉があり、別名戦士の父(オーディン)の担保)というんだとか。

オーディンは8本足の馬スレイプニルに乗って、天空や地下世界を巡るんだそうです。オーディンスレイプニルに乗り天を駆けるとき、雷のような激しい音が轟き、風が吹くんだとか言われてます。

ワイルドハント - Wikipedia

つまりオーディンは雷神とは言われないけれど、天空と地底を巡ったりして、雷神という一面もあるみたいですよね。

これもやっぱり雷は天空で発生して、地に落ちるみたいだから、雷は地下に行くんだという発想が関係するかもしれませんね。

 

そういえばオーディンの発音は「オージン」らしいですが。

地底の黄泉大神って元はイザナミで天上界の神で創造神ですが、「大神=オージン」?と、オージン(オジサン)は考えました。

北欧のユグドラシルの世界観自体が、日本の神代の世界観に似てるというのはありますけども。やっぱり古代の日本と欧州は繋がりが深い感じがします。

 

 

雷神が地底にいる理由

たぶん日本の昔の人は、ゴロゴロと轟音を巻き起こしピカッと雷光を発して地に落ちる雷を見て思いました。

「雷は地面に落ちて消え去るのだから、きっと地底に潜って黄泉に行くに違いない」と。

まァ現代人も多くが雷は天から地に落ちるものだって、思ってますよ。

しかし実際の雷は、「天から地上に向かう種類と、地上から天に向かう種類」、この2種類があるみたいなんです。

「落雷」と言われてるものが、実は「昇雷」であるというのは事実です。

言葉の意味が真逆なのですね。エレベーターで下に行こうとしたら、上に行っちゃったくらい違いますけど。

雷は天から地中へ潜り、地中から天へ昇るもの。

だから雷神が天界と地下を行き来しており、地底の黄泉に居場所を持っているのは、必然という感じがしましたね。

そういえば雷は「神鳴(かみなり)」で神の怒りの音みたいなニュアンスです。しかしむかし雷は「いかづち」と呼ばれてました。これは「厳つ霊(いかつち)」で荒々しい神を表すようです。

雷が厳つ霊であるというのは、昔の人が神は霊体であると悟っていたことの現れ。雷は目にも止まらぬ速さで現れては消え去るので。

古代には死者の霊は天国じゃなくて、地底の黄泉の国へ行くと言われてましたし。

そのへんも雷神=厳つ霊が、地底に存在すると解釈された件に関わってる感じがしました。

 

ぽちされたすかり

 

 

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