従来よりお菓子作りから、烏孫が日本の前身であるとの信じがたいお話まで展開してきました、このブログ。
今回は真っ黒けなカラスについて、思うところがありました。隣のおばさんにイジメられつつ、ちょっと短めにまとめています。
○いつも助かっております
日本のカラスの語源は古代ギリシアにあったか
その昔タリム盆地のそばで名を馳せていた、騎馬民族国家の烏孫。その名を見れば、「カラスの孫」みたいな直訳、してしまうじゃないですか。
これ、たぶん烏孫に伝わっていた神話を元にした国名かとは、思っていました。
烏孫人の遺伝子を見れば、ルーツは地中海系の民族にあるのは事実なようですね。このあたりは、後に詳しくのべますが。
烏孫が成立したあと、古代の前漢王朝との婚姻によって東アジアとの繋がりが始まり、その後に烏孫王族が天皇家として、日本列島へ移住していると、そう妄想するところです。
ところでカラスは、英語でcrow、トルコ語でkargaだそうで。
その一方、極東の日本はカラス、中国ではウーヤー、韓国ではカマグィだそうで。
英語 crow
トルコ語 karga(カルガ)
中国語 wuya(ウーヤー)
韓国語 kkamagwi(カマグィ)
日本語 カラス karasu
こうして並べると、名前から見ても、日本のカラスはアジアではなく、欧州・中東系に近い名称だという気がしてました。
それで地中海方面はどうかと思って調べると、
ラテン語 corvusギリシャ語 kronus (農耕神、カラスを従えた)
Google翻訳こんにゃくで検索
こんな風に、なんか日本のカラスに似た名前がいろいろ出てきた。
ラテン語のコルヴィスも日本語のカラスに似てますが、ギリシャ語のコラクス(ワタリガラス)はかなり近いっすね。
ギリシャの農耕神クロノス(時間の神ではないクロノス)がカラスを従えたと伝えられるので、クロノスが由来な可能瀬もあるかと。
日本のカラスが、ギリシャ語のコラクスやクロノス神を由来とするんだとしたら、なかなか興味深い話ではないですか。
烏孫とカラス
烏孫とは、カラスを使っているわけで、明らかにカラスを象徴する騎馬民族国家でした。
烏孫は烏三(ウーサン)と書いて読んでも違和感はないですが、烏三と言えば「三本足の烏」を連想できたりします。これが味噌汁のダシと同じくらい重要でした。
日本で三本足の烏といえば、紀伊・熊野にいたという八咫烏のこと。
神武天皇を奈良へと導いたという神話上の鳥で、あるいは地元にいた加茂氏の建角身命、生玉兄日子命などの人間の部族だったとの解釈が、歴史上で浸透していました。
当ブログではそんな神武東征というワクワク大冒険な出来事は、ユーラシア大陸を舞台にして、古代イスラエルを出発、烏孫を建国するまでの数百年、数世代の出来事が神武東征に反映されたと発想して、話をすすめていました。
そんな八咫烏ですが、前漢の武帝の頃(紀元前2世紀)の頃の記録にも登場してました。。中国では三足烏はかなり昔から存在したとか。
『淮南子』に「昔、広々とした東海のほとりに扶桑の神樹があり、10羽の三足烏が住んでいた……」と見える。この10羽の3本足の烏が順番に空に上がり、口から火を吐き出すと太陽になるという。『淮南子』の巻七(精神訓)では、月日説話に「日中有踆烏 而月中有蟾蜍」の記述もあり、太陽と鳥の関連を示している。後の『春秋元命苞』に「陽数起於一、成於三、日中有踆烏」がみえ、太陽の中に鳥がいるという話は古いが三本足を有することについては後のことではないかとされる。
中国では三足烏は金烏、つまり金色であるとの伝承もありますが、神武東征で天皇を導いた烏は、金鵄、金鳥と同一視もされています。だから東征の物語に出てくる八咫烏は、中国の「淮南子」に出てくる三足烏と、ほとんど同一の性質を持つカラスでした。
淮南子で「東海のほとりの扶桑の神樹」の扶桑とは日本の別名なので、日本列島に三足烏がすんでたと解釈ができます。
この三足烏は太陽を象徴していたとあります。まさに八咫烏とは太陽神天照大神を中心の神として崇め、日の丸に天照大神の神格を投影している日本を表すには、ふさわしい鳥だったわけでした。
三足烏はさらに歴史を遡り、紀元前14世紀の中国の殷王朝にも関係しました。これが八咫烏が、日本ではなく中国のほうに由来するとの証拠になったりします。
古代の神話では「西王母」という道教の神に仕えていたという三本足のカラスは、食事を運ぶ役割として描かれているとか。
これ、実は古代イスラエルで、預言者エリヤフがヨルダン川の洞窟に身を隠したとき、彼の元にカラスが食事を運んだという旧約聖書の逸話と似てたりするとか。
さて、三足烏を従える西王母が住まう土地は崑崙山脈でしたが、ここは烏孫の昆莫が初めて国を興した場所、祁連山脈・アルティン山脈、敦煌といったエリアに近いところです。
要するに三本足カラスの故郷は、烏孫の範囲に含まれる土地だったということ。それで烏孫がもしかすると、三足烏をシンボルにした国名のではないか、という想像が浮かんでくるわけですが。
烏孫は歴史的に古代ギリシャ語、トルコ語系、あとはイスラエル語などのごった煮のような言語を使ったような感じがします。それが彼らの出自に関わることは明確ですが。
烏孫があった場所にはキルギスがあるのですが、キルギス語は日本語に似てるという話があります。(「日本の中のユダヤ文化」久保有政著)。
烏孫がギリシャと関係したというのは、周辺の諸国を見てもわかったりします。
紀元前4世紀には、マケドニア(ギリシアに接する国家)のアレクサンドロス王が、あれよあれよと中央・南アジアまで遠征しましたが。この頃にすでに数多くのギリシア人が中央アジアやインドに移住したとか。
紀元前2世紀からは中央アジアからインド北部にかけては、ギリシア人が支配していました。(インドグリーク王朝)。そのためクシャーンはギリシア文字を公用語として採用してたりしたとか。
烏孫のあった頃にタリム盆地に栄えた月氏(小月氏)、バクトリアに移住した大月氏はイラン系とも言いますが。国名自体はギリシアの音写とも考えられるし(ギリシア→ゲッシ→月氏)。
天山山脈には、ギリシアのヒュドラや、日本のヤマタノオロチのような多頭竜退治の物語も伝わっていました。
烏孫の昆莫の親だったのは難兜靡ですが、彼と同じ名の国「難兜」が、中央アジアのパミール高原にありました。このへんはもう7年くらい前からすごく研究したところですけども。
ここはアレクサンドロス王が遠征した場所であり、数多くのギリシア人が移住した土地でした。民族的に見ても烏孫人は地中海系民族であり、烏孫の言葉にギリシア語が含まれていても、おかしくないというわけです。
そういったわけもあり、もしかするとギリシャのコラクスが烏孫でカラスになり、カラスが八咫烏と共に日本列島に入ってもおかくないな、むしろ正解かなと。
それを古代の漢人は、「三足烏は崑崙山脈の西王母に仕えている」「東の扶桑にいる」と表しているわけです。
それなら八咫烏は、崑崙山脈から日本に移ったのは確実ですね。烏孫の八咫烏(烏孫人)が、崑崙山脈のふもとから、日本へと入って扶桑と名乗ったんではないかと。
それで日本の別名だった扶桑(fuso)とは「ふ烏孫」だったことも証明できるかと。 まあ嘘と言われたらそれまでですが。
カラスを大嘘鳥と呼んだむかしの日本人
さらに烏孫から日本へと人々(八咫烏・天皇家)が移住したことを証明するのが、日本のカラスの古名です。
「万葉集」を見ると、カラスの古名が載ってます。むかしはカラスと呼び称したほか、日本ではカラスのことをウソ鳥、大ウソ鳥と呼んでたらしいです。
漢字で書くと、
カラスの古名
嘘鳥(をそ鳥、うそ鳥)
大嘘鳥
大軽率鳥
となって、どうも鳥類のなかでも酷い言われようになってますが。このブログの記事もウソだと言われてしまいがちですが、ちょっとじっくり呼んで中身が整合していることを確かめてほしいです。
なんでカラスが嘘の鳥なのかというのは、おそらく「烏孫の鳥だから」で説明は付きそうです。発音が「をそ(WOSO)」なのは、WUSONの名に対応しているのが明らかではないかと
※「を」の本来の発音はwoである。
日本の大嘘鳥(烏)とギリシアの物語の関連
カラスがどうして嘘鳥になったのかは、日本では良くわかっていません。
しかしギリシャ方面には、嘘とカラスにまつわる神話が存在するので、嘘鳥と呼ぶのもギリシャ・烏孫繋がりなのかもしれないです。
まずはイソップ寓話を見てみる。
虚飾で彩られたカラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『虚飾で彩られたカラス』(きょしょくでいろどられたカラス)は、イソップ寓話のひとつ。場合によっては『鳥の王さまえらび』や『おしゃれなからす』、『王様になりたかったカラス』という別題で記載されている。
あらすじ
ある時ゼウスは、最も美しい鳥を王様に決めることにした。 ゼウスは、鳥たちに集まる日時を決め、その中で一番美しい者を王様にするというお触れを出した。
鴉は自分の姿は黒く醜いと思い込んでいたので、美しく装うために、野や森を見てまわり、他の鳥たちが落とした羽を拾い集め、身体中に貼りつけた。
そして約束の日、鳥たちはゼウスの前に集まった。そして、色とりどりの羽で着飾った鴉も姿を見せた。 ゼウスは、彼の羽が最も美しかったので、彼を王様にしようとした。
すると他の鳥たちは、憤然と異議を申し立て、それぞれ見覚えのある自分の羽を鴉から引き抜いた。結局、彼に残されたのは、自分自身の黒い羽だけだった。
カラスが自身の黒い姿を受け容れ、その黒い羽に磨きをかけていれば、結果は違っていたかもしれない、と締めくくる場合もある。
教訓
・どんなに着飾ったり見た目を良くしても、上辺だけの嘘や偽りはなんの意味もない。
・己を受け容れ、己で努力することが大切。
・他人の力でのし上がろうと企めば、初めは良くても、後には必ず暴かれる。
見た目だけつくろってもすぐバレバレ。努力は大切。人に頼らず自分で努力しないと暴かれるぞ。みたいなことは、カラスが教えてくれる大切なポイントだとか。 精神的に無理なことが多い俺には、耳の痛い話でした。
次にアスクレーピオスの神話を見てみる。
アスクレーピオス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アスクレーピオス(古希: Ἀσκληπιός, Asklēpios)は、ギリシア神話に登場する名医である。ラテン語ではアイスクラーピウス(Æsculapius / Aesculapius)という。長母音を省略してアスクレピオス、アスクラピウスとも表記される[1]。
優れた医術の技で死者すら蘇らせ、後に神の座についたとされることから、医神として現在も医学の象徴的存在となっている。ユーロ導入まで発行されていたギリシャの旧10000ドラクマ紙幣に肖像が描かれていた。
また、WHO(世界保健機関)のマークにある杖はこの杖が由来である。
神話
アスクレーピオスはアポローンとコローニスの子。
コローニスはテッサリアのラピテース族の王プレギュアースの娘で、アポロンは一羽のカラスを使いとしてコローニスとの連絡係にしていた。このカラスは言葉を話し、その羽は純白だった。
あるとき、カラスがコローニスの浮気を告げたために、怒ったアポローンはコローニスを矢で射殺した。
このカラスの報告は道草を食っていた言い訳に付いた嘘だったという説と、カラスがうっかり者で早とちりをしたという説がある。
いずれにしても、アポローンはカラスを罰して言葉を取り上げ、白い羽を真っ黒に変え、天空に曝して償わせた。このカラスの姿が現在のからす座である。
一説には、からす座のすぐ近くにコップ座があるにもかかわらず、そのくちばしは永遠にコップの水に届かないという。
コローニスは身ごもっていることを告げて死んだため、アポローンは胎児を救い出してケンタウロスの賢者ケイローンに養育を託した。この胎児がアスクレーピオスである。
どちらも昔のギリシャに伝わってた話なようでした。どちらの話も、カラスが嘘をついて、真っ黒な姿に変えられた、という共通点が。
こんな物語があって、日本のカラスが奈良時代には既に大嘘鳥、大軽率鳥と呼ばれていたことには、古代ギリシアの物語が関係すると考えてしまうところです。
あるいは八咫烏が「エジプトのホルス神」だとか古代ユダ王国でも崇められた「ユダ烏」とかいう仮説も過去に考えていたりするので、そういった幾つかの民族の要素を融合させている可能性もありますけども。
日本神話自体が、そうであるように。
弥生時代の昔からからシルクロード交易が存在し、ペルシャ人やら西域人も日本に入ってました。さらに天皇家や周囲を取り巻く豪族が大陸から渡ってきてるとなれば。
ギリシアの嘘つくカラスの物語が、かなり昔から日本に広まり嘘鳥が定着してた可能性もあったわけです。日本には神話として残らなかったけれど、嘘鳥、軽率鳥の名でそれが残ったような感じがします。
出てきた要素をまとめると、
烏孫 日本
カラス korax(ギリシア語) karasu
神話 嘘つき烏 嘘鳥、大嘘鳥(古名)
発音 wu-sun 扶桑(f-u-so)ふ烏孫
これまでの烏孫起源説の話と合わせると、烏孫と日本がつながってるのは明らかです。今回の話も個人的に嘘っぱちとは思えないところですが、世間的にはどうですかね。
では。
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