パルミラ遺跡から分かってきた、日本の神様とのとても深い関連です。パート1の続き。
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パルミラ遺跡
世界4大文明の一つであるメソポタミア文明の栄えた中東のシリアに、ユネスコの世界文化遺産に登録されている、パルミラ遺跡があります。
古代のパルミラは古代ヨーロッパとアジアの深淵の地を結ぶ、シルクロードの中継都市。周辺の諸民族の影響を受けて、様々な神が寄り集められ、崇められていた土地のようです。
中東の文化と歴史については特に詳しく無いので、いろいろと書籍やインターネットの資料を調べていました。
そして見つけたのが、パルミラの三神と日本神話の三貴子の神格や属性、伝承が、極めて似通っているという事実でした。
ちなみに世界4大文明は、エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明とされますけど、最近は南米大陸のほうにこれら4大文明と同時期に「アマゾン文明(モホス文明)」という、巨大な石造ピラミッドや巨大人造湖を築いた文明が存在していたことが明らかになりつつあります。
この南米の文明を含めて5大文明とか言う雰囲気も、チラホラ出てきています。ほか、ギリシャの文明を含めて5大文明という言い方もあるみたいです。
日本の三貴士(みはしらのうずのみこ)
では日本の神とパルミラの神のどのへんが、似通ってるのかですが。その根幹となるのは、三貴士の存在でした。
三貴士とは古来日本で最も尊いとされてきた、イザナギから生まれた神々のことです。
天照大神(太陽)
月読命(月)
素戔嗚命(荒ぶる神、嵐)
それで昔の三貴子の絵図をネット上で探したのですが、中世以前のものは見つけることができませんでした。
しかし館山市立博物館に、江戸時代に描かれた「三貴子図」(白浜町下立松原神社の絵馬)が展示されていることがわかりました。館山市立博物館
また手元にあった「古事記と日本の神々」という書物を見ますと、「神代正語常磐草」の絵がありました。
これは天照大神と須佐之男の神を生む契約の場面です。これに月読命を加えれば三貴士の揃い踏みとなります。
パルミラの三神は日本の三貴士と同じだった
驚くことにパルミラでは、日本の三貴士と同じ属性の三神が祀られていました。
パルミラの三神については、wikipediaに画像があったので、引用しています。以下の写真はルーブル美術館所蔵のレリーフ。
左がアグリボル、中央がバアル、右がマラクベル。
日本の三貴子図とは、神の配置が違っていますが、太陽神、月神、荒ぶる神(嵐)という三神の属性が共通しています。
バアルは別名、ハッドゥとかハダドと言って、素盞鳴尊と同じく嵐の神、荒ぶる神です。バアルはウガリット神話の神で、元はカナン(パレスチナ)地域の神だったのが、周辺諸国でも崇められるようになったということです。ウガリット神話の最高神エルとバアルは、親子関係に当たります。又、バアルの父はダゴンともされています。
後にカナン地域では、バアル信仰はイスラエル人に追い払われました。イスラエルの神エルはウガリット神話のエルであり、旧約聖書の舞台は当初はイラク方面となっています。イスラエルでは基本的にウガリット神話の神のうちの、エルだけが崇められる形で、この神はヤハウェと同一視されています。
パルミラは元々、古代イスラエルのソロモン王によって支配されていたので、当初の信仰は元々イスラエルと同じであったものが、古代イスラエルの衰退と共にバアル信仰へと移り変わったということです。(あの、このあたりの歴史認識は、お国の人から見れば間違いであると指摘されてもおかしくないところです、その場合ご容赦ください。)
バアルがスサノオによく似ているのは、両者とも荒ぶる神で、他の神によって追放されてしまう所です。さらにバアルは、7つの頭を持つ竜・ロタンと戦って勝利していますが、一方のスサノオは8つの頭を持つ八岐大蛇に勝利しているといった類似点が見られます。ロタンはヨーロッパ神話における海獣リヴァイアサンのことで、両神話の出処が同一とすると、八岐大蛇はリヴァイアサンと同一の怪物ということになるんでしょうか。
多頭のドラゴンというと、ギリシャ神話のヒュドラを思い浮かべます。ギリシャの荒ぶる神・ヘラクレスが、9つの頭を持つヒュドラを倒したという伝説です。
7頭のロタン、8頭の八岐大蛇、9頭のヒュドラ。いずれも荒ぶる神に倒された海の怪物ということになります。
メソポタミアとギリシャは地理的にも近く、歴史的にもローマ帝国などの超大国に吸収合併された過去を持つので、神話に共通点が見られるのは当然のことのように頷けますが、日本という遠く離れた土地の神話とも共通するというのは不思議な話です。
パルミラの三神のうち、月神アグリボルは月読尊、太陽神マラクベルは天照大神にそれぞれ符号しています。
ギリシャ神話では太陽神アポロンと月神アルテミスは双子であるところと、太陽神と月神を含む三貴子が兄弟神であるところも、三貴子がパルミラ・ギリシャの神と符号しているところです。
ウガリット神話とギリシャ神話が合わさってパルミラで三神が信仰されるようになり、それがそのまま日本列島へ移植されたと考えるのですが。関連付けがされない理由は、恐らくあまりに離れすぎている距離の問題が大きいように思います。
シルクロードを通じて、メソポタミアの神話や信仰までも日本に輸入されたとは、多くの日本人は信じないだろうし。日本の歴史学会でも決して認められないところです。
日本の三貴子を含む、日本神話の根源が、パルミラの三神、ひいては中東地域やギリシャの他の神々の影響を受けて発展したとの発想は、トンデモ説としてしか見られないのでしょうかね。
尚スサノオとバアル神の類似については、既に多くの人々により研究結果がネット上に氾濫している状況であるので、私個人だけの発想というわけでもありません。
パート1http://tacchan.hatenablog.com/entry/20120629/1340999968の続き。
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