日本には古来より伝わる呪文が、いくつもあるのは知っていますか。江戸時代の頃にはかなりあったようですが、21世紀では日常的に使われているものは限定的です。
もはや消え失せてしまっているやつも含め、これからの世界で助かるために使ってみたい呪文をご紹介します。
いつもたすかります
日頃から使われがちな呪文
では意外と身近で、知ってる人も多そうな順に取り上げてみます。
・ちちんぷいぷい、ごよのおんたから
子どもが怪我をした時、これを唱えることで痛みを無くすというおまじないです。ちちんぷいぷいだけでも良いとのことですが、辞書によれば本来は「知仁武勇御代の御宝(ちじんぶゆうごよのおんたから)」だそうです。
由来についても伝わっていました。むかし徳川家光が幼少のころ。乳母の春日の局(かすがのつぼね)が、家光の泣き虫を直す時にいいました。「知仁武勇御代の御宝」と。
これの意味は「あなたは徳川の宝であるのだから、知仁武勇に長けていなければいけませんよ(泣いちゃ駄目ですよ)」みたいなニュアンスらしい。
これがちちんぷいぷいの始まりとのことでした。知仁武勇がちちんぷいぷいに変わったのは、聞き及んだ人々が知仁武勇の意味がわからず、勝手な解釈されたように思えますね。
・ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んでいけ
痛い所があったとき、これを唱えることで痛みを取り去ると言われています。
ちちんぷいぷいは先述の通りに江戸時代の知仁武勇のことですが、「痛いの痛いの飛んでいけ」のほうは、昔からある別の呪文がくっついたとか、英語圏の痛みを消す呪文を訳したものという話もあります。
一方で1970年代から始まった人気テレビ番組が、広まるキッカケであるという説も。
・くわばらくわばら
爺婆世代には一般的でしたが、いまでもよく使われる雷よけの呪文です。漢字で書くと桑原桑原で、雷がクワの木を嫌っているからという、知られた語源説があります。
しかしネット検索で、別の由来も確認できました。
怨霊で知られる菅原道真の居住地が桑原であったので、これを唱えると雷すらも避けると言われていたのだとか。
しかし本来の意味については「クワンバラン」説が有力ではないかと思いました。くわばらくわばらとは実は梵語(サンスクリット)の仏教用語「クワンバラン」が語源で、これは恐ろしいものを避ける意味があるとのことで。
日本には飛鳥時代(あるいはそれ以前)から梵語が入り込んでいたので、納得できる話ではないですか。本来の意味を強めるなら、「クワンバラン、クワンバラン」と言ったらいいんですかね。
・臨兵闘者 皆陣列前行
3世紀の西晋の頃から、中国の道家が使い出した「九字」と呼ばれる呪文のなかの1つ。
臨兵闘者皆陣列前行(リンビョウトウシャカイジンレツゼンギョウ)を唱えながら、手で印を結ぶ、あるいは指で空中に線を描くことによって、災厄から身を守る効果が得られると信じられていたとのこと。
九字には「青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女」など幾つかのバリエーションがあり、それぞれで違った効果を得られるのだそうです。
・アブラカタブラ
むかしのイスラエルやローマ方面で流行った西洋魔術の呪文で、9回唱えることで病気が治り、厄を払えるのだとか。日本でもかなり昔から入ってたようです。
子供の頃は油に関係すると思い込んでましたが、関係なかったですね。当古代史とか研究室では、アブラカタブラは平安時代以前にはあったんではないかとの見解を持っていますが。
・なんまいだぶ(南無阿弥陀仏)
浄土宗などで広まった、阿弥陀如来の力にすがる(帰依)時に口にする呪文です。
その意味は「わたしは南無阿弥陀仏に帰依します」だとか。
むかしから「阿弥陀仏がみずからの名を唱える者は極楽浄土に導く」と信じられていたので、多くの人々が昔からなんまいだぶ、南無阿弥陀仏を唱えていました。
何かあったら「なんまいだぶ」で良さそうです。
・アビラウンケンソワカ
漢字にすると阿毘羅吽欠婆姿詞。これによって、仏教の如来でも上位に位置する大日如来に帰依できるのだとか。この呪文は何かの漫画で見たことがあったような。
これと他の言葉が色々くっついている呪文は、昔の日本には多かったようです。
・てるてる坊主てる坊主、明日天気にしておくれ
思わず口ずさんでしまう人もいるてるてる坊主の歌。これ明治時代の童謡で、作詞が浅原六朗、作曲が中山晋平だったとか。
今では雨を止ませる呪文として、てるてる坊主を吊るして使うのと合わせ、すっかり定着していますが。
てるてる坊主については平安時代から始まったとのことで、とても歴史がある風習でした。しかしてその起源は中国の晴娘(チンニャン)にあるとか。晴娘は紙を切って作る人形で、使い方はてるてる坊主と全く同じだとのことです。遣唐使などの交流でもたらされたのが、日本風になったというわけです。
漢字でかくと「狐狗狸さん」で、狐霊の降霊術と信じられています。子どもの場合は単に幽霊を呼ぶと思っているかもしれません。
これ実は日本で流行りだしたのは19世紀頃だそうで。「ウィジャボード」というテーブルターニング(降霊術あそび)が、伊豆に漂着したアメリカ人によって持ち込まれ、下田の現地民が覚えたことから全国に広まったと言われます。
こっくりさんの日本の発祥は伊豆半島の下田だったようなんです。でその起源は15世紀のヨーロッパであると言われますが、未だ定かではありません。
こっくりさんをやる時には以下の方法になりますが、呪われるとも言われているのでご注意を。
机の上に「はい、いいえ、鳥居、男、女、0〜9(出来れば漢字で書いた方が良い)までの数字、五十音表」を記入した紙を置き、その紙の上に硬貨(主に五円硬貨もしくは十円硬貨)を置いて参加者全員の人差し指を添えていく。全員が力を抜いて「コックリさん、コックリさん、おいでください。」と呼びかけると硬貨が動く。
なぜコインが勝手に動くのかについては、潜在意識が作用するとか、誰かが意図的に動かしてるとか、筋肉疲労が原因とも言われますがはっきりしません。
ちなみに1人でやるのはタブーで、アチラに連れて行かれるとかいう話もありますが。もしやってみて勝手に動いたら確かにコワイかもしれませんね。単なる筋肉疲労だとしても。
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使う人もいるらしい呪文
・成るか成らぬか、成らねば切るぞ
これ何か聞いたことありますが、豊作の儀式で使う「成り木責め」の呪文です。
果樹を脅すことによって実らせるということで。危ない会社のコワイ人の、取り立てみたいにしか思えませんね。
・オンコロコロセンダリマトウギソワカ
これは薬師如来に祈る時の真言であるとのことです。体の痛みを消すために唱えるのだと。用法としては、「痛いの痛いの飛んでいけ」に似てますね。
・一二三四五六七八九十、布留部 由良由良止 布留部(布瑠の言)
これ、表向きでは大和言葉の数詞で、12345678910のことです。ひふみよいつむななやここのとお、という数詞だけなら子供でも口にします。
しかし実はこの数詞には裏の意味があり、「日本書紀」に強力な呪文として記録されているのでした。
その効果としては信じられないことに、「死人を甦らせる」を叶えてしまうのだとか。正確には「ひふみよいつむななやここのたり、ふるべゆらゆらとふるべ」と唱え、饒速日命の宝だった十種神宝(とくさのかんだから)を機動させて願いを叶えていたのです。
要するに実際に願いを叶えたい場合は、十種神宝の存在が不可欠でありました。十種神宝は石上神宮に伝わってましたが、今は行方不明だとか、各地に分散されてるといいます。旧約聖書にってくる、古代のアークみたいなものだったと想像するばかりです。
以下はこのサイトから一部を引用しています。
・メッケ、ツッツ、おれちゃ感染(うつ)んな、ツッツッツー
むかし伝染病が流行した時に、これを唱えて病気を回避したとか。ツッツは意味がわかりませんね。日本語の掛け声は、エンヤコラとかドッコイショとか、ワケワカメなものが多すぎます。メッケ追いというまじないと合わせて、口にする呪文だそうで。これは知らない人が多いかもしれない。
・戌、亥、子、丑、寅
夜の墓地に接する道などは、恐ろしくなってしまうものですが、「いぬいねうしとら」を唱えながら通ると、気持ちに力が湧くんだそうです。
戌亥子丑寅は時間になおすと、深夜の22時から2時までの間。干支の神霊のちからを借りて、乗り切ろうというんですかね。
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卑弥呼は鬼道を用いて民衆を惑わせたと言うので、たぶん呪文も使いこなしていたのかと想像するばかりです。他にも様々な呪文があるので、呪文の力にすがりたいなら試してみたらよいです。では。
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