最近、お犬さまこと、大口真神(おおくちまがみ)が気がかりだったのです。で調べたら、なんか奇妙なところがありました。
最古の狛犬
獅子と狛犬 単行本(ソフトカバー) – 2014/9/20 MIHO MUSEUM amazon.co.jp
日本最古の狛犬は、弥生時代までは行かないみたいです。京都の教王護国寺(東寺)の木造狛犬が最古。平安時代の10世紀あたりのようでした。
この狛犬、よく見ると角があるので一角獣と獅子の組み合わせです。しかしなんか背が高くて全体的にリアルなデザイン。江戸時代以降の狛犬はディフォルメされた姿なので、似ても似つかぬものです。
平安時代が最古ってことは、それ以前の神社には、狛犬がいなかったわけで。しかし神社と言えば狛犬なのに?、というわけで違和感を覚えてしまいました。
ちなみにこの記事ではGoogleストリートビューの個人撮影の画像を取り上げてますが、ダメなら削除したいと思います。
「日本書紀」の景行天皇条には、日本武尊(やまとたけるのみこと)の話が出てきます。
日本武尊が関東を遠征中、いまの東京の青梅山中の武蔵御嶽神社のあたりで邪神の大鹿を退治しました。そのときに道に迷ったものの、白い狼が現れて道案内をしてくれたので救われたというエピソードです。
日本武尊をたすけた白い狼は大口真神で、真神、お犬さまとか呼ばれておりまして、鎌倉時代や江戸時代あたりには篤く信仰されてきたわけでした。
日本武尊の能褒野墓が4世紀末に作られたことを考えると、日本武尊の東国遠征は西暦350~390年頃、弥生時代末期~古墳時代初期の出来事だったようです。
武蔵御嶽神社の場所は東京の多摩地方ですが、埼玉県の秩父地方の秩父三山にも白犬伝承地があります。秩父三山は三峯神社、秩父神社、宝登山神社の3社。
「真神(まがみ)」とはまことの神、正しい神という意味で、真神は害獣から作物を守り、厄除けの力が強く、人の言葉を理解して善人と悪人を見分けることができたとかいいます。
大口真神は8世紀の「万葉集」や「大和国風土記」などにも記録がありました。奈良の飛鳥にはむかし大勢の人を食う狼いて、大口真神として崇められたとか。つまり食われた人々は悪人だったのかもしれんです。
大口真神の神札の絵も、古くから伝わってきたものでした。ふと大口真神の絵を見て、おやおやと思いました。
何故なら大口真神の絵も、なんかすらりと背の高い感じだったから。すらりと背が高い大口真神の神札の絵、教王護国寺の最古の狛犬。これはなんか関係あるのかと。
古来より武蔵御嶽神社や秩父三山では、大口真神は狛犬同様に左右一対あり、神社の神を守護する存在だったりしました。
つまり大口真神は、狛犬の役割を果たしてたわけです。すると4世紀から存在する大口真神が、狛犬の始祖なのだろーか?とか考えたりしました。
そういえば、武蔵御嶽神社の古い狛犬も、三峯神社の古い狛犬も、背が高いタイプみたいです。
三峯神社にはこんな子狼の、新しい感じの狛犬もあったりしました。
あと名前を見てもなんか、狛犬との接点あるのでした。何故ならば大口真神の「口真」が、明らかに「こま」だから。
大口真神(白犬、白狼)
口真(こま)
狛(こま)犬
名前がどうして一致するのかの真相は不明ですが、どっちも犬でこまとなると、無関係とするほうが可怪しい。
大口真神→大狛神→大狛犬→狛犬と変化しててもおかしくない気がする。
最初大口真神は日本武尊の守護となり、武蔵御嶽神社や秩父三山で祀られた。やがてその守護のご利益は日本じゅうで知られるようになった。そして大口真神は平安時代から各地の神社に、狛犬として祀られるようになった、のかも。
日本の狛犬はそもそもエジプトのスフィンクスが、大陸を経て伝わったものといわれてます。大口真神とスフィンクスの関係も気になるとこですが。今回はここまで。
ぽちされたすかりま
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