たっちゃんの古代史とか

誰も知らない日本とユーラシア古代史研究。絵も本も書く。闇の組織に狙われてるアマ歴史研究者。在宅お仕事中。

かつてコマイヌの意味は一本角犬だった?消え去った真髄を復元してみる

狛犬って実は、超曖昧な要素を合体させたキメラみたいなのですが…今回は狛犬で気づいた話です。


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狛犬=狼+獅子+一角獣+犬だった

 

狛犬 - Wikipedia 吽形の狛犬仁和寺

 

狛犬は別名を獅子ともいわれますが、日本では平安時代の頃から登場したとか。

狛犬の意味は魔除けを意味する拒魔、あるいは高麗から伝わったからなどの説があります。元はユーラシアの広範囲で守護とされた、ライオン像だったといわれたりします。

しかし狛犬の「狛」はオオカミの意味があるので、狼犬として扱われていたのも事実です。

しかもこの狛犬、古来よりの「和名抄」に記載される伝統では、「右が獅子、左が狛犬」でまったくの別物だったりするんです。

それに加えて狛犬の姿を見ると、一角獣の場合が多々あります。一角獣とは西洋のユニコーンの訳語であるから、要するに神社は西洋のユニコーンを取り入れてるのが実際のところです。

すると狛犬は狼であり獅子(ライオン)であり一角獣(ユニコーン)でありながら、普段はワンちゃん扱いされるという、非常に曖昧な存在だったわけです。

 

狛犬に含まれる生物の出身地は、

・狼 ニホンオオカミ 20世紀まで日本に生息

・獅子 ライオン 20世紀まで中東・インドに生息、現在はアフリカ大陸

・一角獣 ユニコーン ヨーロッパの古い伝説

・犬 固有種は日本に生息(柴犬、秋田犬、土佐犬など)

 

要するにライオンとかユニコーンは、日本のはるか彼方の生命体や、架空生物でありましたので。

ちなみにユニコーンはどういう生物かというと、ライオンとヤギを合わせ、額に大きなツノを持っていた動物らしい。古代ヨーロッパから生まれた伝説の動物で、古くからアジアにも広まったということです。

ユニコーンは、そのほとんどが、ライオンの尾、牡ヤギの顎鬚、二つに割れた蹄[2] を持ち、額の中央に螺旋状の筋の入った一本の長く鋭く尖ったまっすぐな角をそびえ立たせた、紺色の目をした白いウマの姿で描かれた。

また、ヤギ、ヒツジ、シカに似た姿で描かれることもあった。角も、必ずしもまっすぐではなく、なだらかな曲線を描くこともあれば、弓なりになって後ろの方へ伸びていることもあり、鼻の上に生えていることもあった。

ユニコーンは、山のように大きいこともあれば、貴婦人の膝に乗るほど小さいこともあった。時には様々な動物の体肢を混合させてできた生き物であった。

ユニコーンと水には医薬的、宗教的な関係があるため、魚の尾をつけて描かれることもあった。アジアでは時おり翼を生やしていることすらあった。体の毛色も白色、ツゲのような黄褐色、シカのような茶色と変わっていったが、最終的には、再び輝くばかりの白色となった。

ユニコーン - Wikipedia

 

ユニコーンが曖昧な存在だったので、狛犬も曖昧なものになったんでしょうか。

むしろ狛犬が一角獣というキメラであるから、狼、獅子、一角獣、犬と色々くっつけてあるのだと考えると、しっくりする感じがします。

 

 

コマとは1本角だったかを考える

 

ところでそうすると狛犬のコマという音に、何か違った意味があるような気がしました。

韓国には狛犬のような寺院の守護の動物がいて、その名を「獬豸(ヘチ)」というそうです。日本語でいうと「獬豸(カイチ)」だとか。また獬豸は中国では「獬豸(シエジー)」と言って、その役割や名前は全く同じものでした。

この獬豸、元は中国の「論衡」という後漢時代(2世紀)の書物に記載がある動物だから、獬豸は中国に起源があるとかいわれます。しかし獬豸も元はユニコーンであり、騎馬民族シルクロード遊牧民によって持ち込まれた伝説のようです。

獬豸は角がある獅子で、見た目が牛や羊に似たものとされたので、日本の狛犬と同じであると考えていいんじゃないかと。

獬豸 - Wikipedia

 

すると中国や韓国の獬豸と、狛犬の名前がまるで違っているのが気になってしまいました。

獬豸の昔の発音は、おそらく日本語に残される音読み「漢音:カイチ」「呉音:ゲジ・ケジ」に近いものと思われます。

中国 獬豸 シエジー

韓国 獬豸 ヘチ

日本 獬豸 カイチ・ゲチ

日本 狛犬 コマイヌ

この中で、コマイヌだけ全然違っているのです。狛とはやはり高麗のことなのだろうか?

しかし日本語の同音異義語の傾向を考えてみると、ちょっと違う発想が出てきました。

 

ユニコーンはそもそも

uni(1つ)+corn(角)=一角獣

という意味がありました。ユニコーンをそのまんま訳して一角というわけです。

 

ところで日本ではツノのことを、「角」と書くのですが。これの意味には、「かど」が含まれ、曲がり角、コーナー、隅っこの意味があります。

角 ツノ、かど

カドは尖っているものだから、ツノと関連づいてるんです。

 

不思議なことに、英語を見てもツノとカドは関連付けられてます。

corn=ツノ(角)

corner=かど(角)

これは偶然じゃないようです。

 

そしてコマの同音異義語に、独楽(コマ)があるのですが。昔から日本にある、回転するおもちゃの一種です。

あれ1つの中心軸によって回転するもので「一本角のおもちゃ」なんですよね。

すると

ユニコーン=一本角=コマ=独楽

となって、「ユニコーンもコマも一本角」という共通点が見えるではないですか。

じゃ独楽とは本来、1本角があるからコマだったかも。

そうすると、昔の日本語の中の全ての「コマ」の中に、「1本角」という意味があった可能性を、否定できないんじゃないかと思いました。

コマイヌとは「1本ツノ犬」のことであろうというわけで。だから今でも狛犬の片側はユニコーンになってるというわけです。

 

 

風水開運置物 狛犬(獅子狛犬)金8 cm

 


言葉はこんなふうに変遷したのかと

 

corn/coner系の言葉→コナ→コマ→独楽・狛

むかしむかし、ユニコーンのコーンかコーナーみたいな言葉が倭にあり、「コナ=角」みたいな感じで使っていました。

やがてコナがコマに転訛し、独楽と狛狛に分かれ、駒や高麗など他の同音異義語とごっちゃになってしまいました。

そして平安時代以前にはすでに、狛犬の本来の意味「一本角犬」という意味は消滅していました。

しかし「和名抄」や神社には、狛犬=一角獣であるとの伝統は残され、一本角のおもちゃをコマと呼ぶ言葉も残されました。

そして現在も狛犬は一角獣が含まれるというわけです。

 

まあ想像なんですけど。

 

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