死ぬかと思うほどひどかった、呪詛的な動悸、息苦しさ、梅核気が軽減してきた。正露丸・・・じゃなくて救心を買おうかと思ってたくらいなので、まァかなり解除できたのかと。しかしまだ胸の違和感は抜けてないですが。何しろストレスを与えようとする人々が、多すぎなので・・・。
そろそろ屋根の部材を購入して、修理も始めないといけないかと。
そんな中で、ヒルコについて思いついた話を少し。
○いつも助かっております
怖いヒルコ
蛭児(蛭子)というのは、イザナギとイザナミが生み出した原初の神の1柱でした。
神話によれば、天照大神、月読命、素盞嗚命という三貴士よりも、早い段階で生まれてました。
間違った方法で生み出された不具の子だったので葦舟で流されたと。記紀神話ではそれしかないですが、この蛭児はどうもちょっと恐ろしい神だったのではないかと。そんな気がしました。
なぜなら、ヒルコが「蛭」だから。
蛭
湿地に入ったり川遊びしたりすると、いつのまにか体に黒くて細長いものがくっついてたりする・・・。蛭は蚊と並んで身近な「吸血動物」の代表格でした。
蛭というのは手足が無くて、人の地をすすって生きる、まさに吸血鬼みたいな奴。その虫に「蛭」という字が使われているのは意味深でした。
「至」は「矢と土」をあらわし、行き着く処、到達点の意味があるとか。
そしてヒルという音からすると、料理に使うヘラと似ているところがあるので、関係するのかと。
北部九州のほうでは、毒ありヘビを「くちなわ」と言い、毒なしヘビを「へらくち」というとか。やはりヘビとはヘラなのですね。
ということは、ヘミ→ヘビ→ヘラ→ヒルのように関連が導かれますね。結局は細長い小型の動物を表す名前が、ヒルだったのではと。
世界は蛇神(太陽神)に支配されている中で
古代エジプトでは、太陽は蛇の輪で表されていました。倭は「輪」と同じ音であり、もしかすると古代エジプトの太陽の蛇の輪や、古代ギリシアの「ウロボロス」という永遠性の象徴の意味も、込められている気がしました。
日本では天照大神と同一視された卑弥呼が、蛇子(へみこ)だったり。
同じく天照大神と同一視された倭迹迹日百襲姫命が蛇神(大物主神)の妻であり、
日百(ひもも)=ヒモ=蛇の意味が込められていたり。
太陽神天照大神の父母であるイザナギとイザナミは、凪と波により「~~~~」という蛇的要素が込められていたり。
オノゴロ島の天御柱ではイザナギとイザナミが回転して合体することにより、伏義・女媧という古代中国の蛇神や、果てはシュメールのニンギシュジッダという蛇神的な姿が示唆されていたりするのですよ。
太陽神が蛇であるというのは、古代世界の信仰の根底にあったようです。
それでヒルコが「失敗作の太陽神」なのではないかというのも、頷けたりします。
蛭(ヒル)とは太陽が高く登った昼であり、太陽が登る様子を表す日本語もまた、「ヒル」なのだから。
原初の吸血鬼
ここで古代ヨーロッパのほうで、吸血鬼(ヴァンパイア)と呼ばれていた怪物君に登場していただきます。このヴァンパイアは20世紀頃から、血を吸う怪物や人の姿として描かれていました。
吸血鬼の起源といえば、ドラキュラ伯爵を思い浮かべました。あの、闇夜では無敵で、心臓に杭を打つか太陽光を浴びせないと死なないとか、ニンニクが嫌いでバーベキューできないとかいうドラキュラです。
しかしこのドラキュラというのは、19世紀末にナントカいう作家により創作されたキャラなんですね。
そういえば欧州人が吸血鬼の一種として、認識してたかもしれないのが、紀元前に東ヨーロッパに割拠したスキタイという遊牧騎馬民族でした。この方々は髑髏杯の風習をもっていて、最初に倒した敵の血をゴクゴク、ぷはーと言っておいしく頂いていたのです。
あと中央アジアの遊牧民イッセドネス人は人肉食をしていたし、匈奴は死者の血を飲んだというのですね。このへんの遊牧騎馬民族の風習がヴァンパイアの起源としてもおかしくなかったです。
事実古代ペルシアは、リリスという人の血を飲む悪魔の少女について、記録していたのでした。これは地理的な位置から検討すると、スキタイ人のことでおかしくない気がします。
しかし欧州のほうでは、意外にも初期の吸血鬼といえば、ドラクエに登場するスライムみたいな不定形の生命体でした。吸血鬼が形のない血吸い虫だったなんて意外過ぎます。
そして初期の不定形なヴァンパイアを調べていると、興味深い事実がありました。
「ヒル」は欧州語と似ていた
ここでちょっとばかり、外国でヒルってどんな呼称なのだろうかと。疑問が湧いてきました。それで調べてみたところ、
スペイン語 Hirudinea
バスク語 Hirudinea
フランス語 Hirudinea
イタリア語 Hirudinea
ラテン語 Hirudo
ルーマニア語Hirudinea
日本語 Hiru (Hiruko)
これは、なかなかおもしろい結果がでました。なんと、日本の吸血動物ヒル(蛭)は、欧州語でもヒルだった・・・。アジアではヒルと似ても似つかぬ名称ばかりなのに、欧州語のほうに回答があるのです。
こんなとこでも、日本語と欧州語の繋がりが見えてくるわけですが。
ヴァンパイアの語源もヒルだったかもよ
そしてヴァンパイアの語源については、調べてみても納得行かなかったのです。ヨーロッパ人は、ヴァンパイアの語源をこんな風に考えてるようです。
語源諸説有るが、1730年代における英語の出版物に「vampyre」の文字があるため、それ以前の時期から使われていた語とされている。一般的にはリトアニア語の「Wempti(飲む)」由来とされる他、トルコ語の「uber(魔女)」、セルビア・クロアチア語の「Pirati(吹く)」も提唱される。
ただしヴァンパイアという言葉が一般的に使用されるようになる18世紀[4]以前から世界各地に吸血鬼伝説があり、それぞれの名前で呼ばれている[1]。中国では、キョンシー以外にも、古来より「吸血鬼」という語があり、これは血を吸う悪霊・亡者という様な意味であったが、転じて現代では欧米風のヴァンパイアの意味としても使われている[6]。
なんか欧州の専門家の解釈では、「Wempti(飲む)」「Pirati(吹く)」がヴァンパイアの語源だなんて言ってたのですが。無理やりなこじつけ過ぎて、全然納得できない。
しかしヒルの欧州語がヒルっぽかったことで、納得がいきました。なぜなら、ヴァンパイアの中にヒルが見いだせるから。
Vampire
Vam pire
ここにpireが含まれていますね。
ヒルは日本語の古語ではpiruになっていると考えられますね。ということは
Vam-pire
Vam-piru
Vam-hiru
ヴァン-ヒル
というふうにヴァンパイアの中に、「ヒルちゃん」を見いだすことができてくるのです。
不定形な形状のヴァンパイアとは、うねうねしたヒルが妖怪として解釈されたような存在だったのではないかと。そんな気がしました。
とするとまた一つの仮設が浮上してしまいました。
それはヴァンパイアという存在に混同されがちな、デビル のことです。デビルもビル・・・ヒルの仲間なのかもしれないと。ギリシア語のディアボロスがデビルの語源とはいえ、どうしてデビルという、ヒルを含む名前に定着したのかというところで不思議です。
ヒルコは吸血鬼だったか
そうすると、日本神話に登場する蛭児(水蛭子)とは、欧州で言う処の不定形な形状をしている吸血鬼と、同じようなものだったのではないかと。
そもそも蛭児は不具の子と形容される神様なので、手足のない蛭という虫で例えられておかしくないような。
生まれてからすぐ、蛭児は葦舟で流されてしまったのは、ヒルコが蛭の神であり、高天原の神に害をもたらす吸血神だったから・・・とすれば納得行くような気がしました。
何しろ害をもたらした素盞嗚命もまた、高天原から追放されたことが、記紀神話には書いてあるのだから。
人気ブログランキング