たっちゃんの古代史とか

誰も知らない日本とユーラシア古代史研究。絵も本も書く。闇の組織に狙われてるアマ歴史研究者。在宅お仕事中。

日本書紀・孝徳紀で随所に登場する鼠を語る爺さんの存在感

孝徳天皇(7世紀前半)の時代について「日本書紀」ではおもしろい記録があるんですよね。ギャグか、という気がしないでもないです。

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○いつも助かっております。

 

 

ねずみじいさん

 

以下は日本書紀より。

元年冬十二月九日

天皇は都を難波長柄豊碕に移された。老人たちは語り合い、「春から夏にかけて、鼠が難波の方に向かったのは、都遷りの前兆だった」と言った。

 

二年九月

この年、越国の鼠が昼夜連なって東に向かって移動した。

 

三年十二月

渟足の柵を設けて柵戸(きのへ、柵に配置した屯田兵)を置いた。老人らは語りあって、「このところ毎年鼠が東へ向かって行くのは、柵が造られる前兆だったか」といった。

 

五年春一月一日

夜、鼠が倭(やまと)の都に向かって走った。紫冠を中臣鎌足連に授け、若干の増封をされた。

 

五年十二月八日

大阪磯長陵に葬った。この日皇太子は皇極上皇を尊んで、倭河辺行宮(やまとのかわらのかりみや)にお移し申された。

ある老人は語って、「鼠が倭の都に向かって行ったのは、都を移す前兆だったのだ」といった。

 引用文献「日本書紀(下)全現代語訳」宇治谷孟

 

なにか起こるたびに、鼠の移動に関連付ける爺さん。編者の舎人親王の周辺に、こういう老人がいたのですかね。

ところで「日本書紀」のほかの記録で、これほど鼠が登場する時代は無いんですよ(強いてあげれば大国主の頃にもある)。

むかしは何か事が起こるたびに、これはなにかの瑞兆、吉兆、前兆、前触れ、凶兆、しるし、お告げだとか言ったようで、「日本書紀」では盛り沢山ですよ。ほかにも「これをこうして、こうなったら良いことが起こるだろう」みたいな誓いを立てて願掛けを行ったのが普通だったみたいです。

旧約聖書」も確かそんな感じがありましたが。

 

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