磐座(いわくら)の謎について。
○いつも助かっております
空飛ぶ乗り物
古代に空飛ぶ乗り物があったというと、ファンタジーかもしれませんが。
しかし記紀神話には、そういう記録があるから仕方なし。
たとえば最も最初のものでは、
「天の浮橋」とはイザナギとイザナミの乗り物だったと考えると、日本の神さまは宇宙空間からそうした仕事をしたようなんですね。天の沼矛というのは、地上の形を自由自在に整形できる、という超古代の科学技術だったとすると、現代科学よりずっと進んでる感じです。SF小説なんかでは、惑星を作てしまう内容の作品がありましたが(なんだっけ)。
「天の鳥船」「鳥之石楠船神」という神もあって、これは空飛ぶ船そのもの。
神武紀には、饒速日命が日向から大和へ飛び降ったという表現があったりして。
こうした日本神話を見ていくと、インドの古典『リク・ヴェーダ』に登場する空飛ぶ飛行物体「ヴィマナ」が思い起こされますね。これ、一分の情報によると、既に発掘されたとか。
そもそもインドの仏教建築の塔が、どうしてロケット型なのかというと、これは飛行物体ヴィマナの姿を具現化したのが本来の意味だとかそうでないとか。
メキシコのパレンケ遺跡の石棺は、宇宙船をモチーフにしたとか、昔のキリスト教の絵画にはUFOが描かれるのと同様ですね。日本の古代にも空飛ぶ乗り物が登場してたのです。
UFOs and Extraterrestrials in Art History
このサイトでは古代から中世にかけての空飛ぶ飛行物体の絵画を集めてます。
過去記事ではこんなのも。
磐座は飛行物体か
日本の古い神社には「磐座(いわくら)」と呼ばれる巨石が存在してたりしますね。
実は「磐座というのは、本来空飛ぶ飛行物体を表している」としたら?
この「磐」という漢字は、「石の上に般=船」。
石の上に船を置くなんて、豚に小判か猫に真珠みたいな感覚で捉えられても困りますけど。
ところが「磐」の本来の姿を知ると、これは空中浮遊に関係する不思議な意味を帯びてくるのでした。
いつものように「学研漢和大字典」を引いてみる。
【磐】いわ
1いわ どっしりと平らに大きくすわった石。いわお。
2平らに広がる。平らに円をかく。ぐるぐる回る。
3あぐらをかいて、どっしりとすわる。わだかまる。ぐるぐると円を描いて回るだけでたち去らない。
古訓に、「チヒキノイシ」とある。
1番目が、磐の字義としてはよく知られたところ。岩とはどっしり座った石であり、それ以上でも以下でもないと。しかし不思議なことに、「円をかく」「ぐるぐる回る」意味がある。
神社の磐座とは、円を描く場所だったことに。ほんとに不思議なことで、どういう意味なんだろう。
古訓のチヒキノイシについてはすぐに思い当たりました。
『古事記』の「黄泉」の箇所を見てみる。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉の国から脱出する場面で、以下のように書いてます。
「最後に其の妹(いも)伊耶那美命(いざなみのみこと)、身自(みずか)ら追い来つ。尓(しか)して千引の石(ちびきのいは)を其の黄泉比良坂(よもつひらさか)に引き塞へ、其の石を中に置き、おのもおのも対ひ立ちて、事戸を度(わた)す時に、伊耶那美命言さく、「愛(うつく)しき我がなせの命、かく為たまはば、汝(いまし)の国の人草(ひとくさ)、一日に千頭絞り殺さむ」とまおす。尓して伊邪那岐命、詔(の)りたまはく、「愛しき我がなに妹の命、汝然為ば、吾一日に千五百の産屋を立てむ」とのりたまふ。是を以ち一日に必ず千人死に、一日に必ず千五百人生まるるなり」
『古事記現代語訳付き』(中村啓信=訳註)より。
イザナギが黄泉から逃げ帰るとき、鬼と化したイザナミが追いかけてきたのですが、千引の石で出口を塞いだことで、黄泉の国とイザナミ=黄泉大神を封じたのです。しかしイザナミの呪いの力は完全に封じ込められず、「一日に千人殺す」と言ったのに対して、イザナギは「じゃ1500人増やす」と対抗したというお話なのです。
ここに登場する「千引の石」が、「磐=チヒキノイシ」であるようなのです。
つまり神社の磐座というのは、チヒキノイシであり、黄泉の国の出口を塞いでいる結界であるとの解釈を昔の人は持ってたようです。
それがいつしか忘れ去られたようで、「学研漢和大字典」に収録した古訓に残るのみとなったとか。
この前の記事
が関係してますけど。
そういえば和歌山県熊野市有馬に「花窟神社」がありますね。ここ『日本書紀』でイザナミが葬られたとある熊野有馬村に比定されております。花窟神社ではイザナミと軻遇突智(かぐつち)を祀ってるんですけど。軻遇突智は生まれた時に炎によってイザナミを死なせてしまったために、父イザナギに斬り殺された不条理を地で行く火の神さま。
花窟神社には高さ45メートルの巨大な磐座があって、その名を「陰石」といい、「ほと穴」と呼ばれる穴があいてるそうな。ここも伊耶那美命を封じたという意味合いが本来はあったんでは。
しかしこれだけでは「磐」の意味にあった「回転する」、「ぐるぐる回る」の意味がわかりませんね。
そこで「磐」の字の上半分の「般」についても字典を見てみる。
【般】ハン
1 めぐる めぐらす 中心からまるく平らに広がる。円をえがいてまわる。また、そのさま。
2はこぶ 中心に集めた物を円形に広げることから、物を移しはこぶ。
3かえす かえる もとへもどす。また、もどる。
古訓には「オホフネ」とある。大船のこと。
これは凄い。
般=船とは、中心からぐるぐる回って、元へ戻る(天空へ戻る)意味だというのです。古訓は大きい船であるから、船がぐるぐる回りながら天空へ飛翔する場所だということになるんですけど。空飛ぶ船の発着場・・・
磐座って、そういう場所だったんですね。
磐座には、「イザナギが黄泉の国を塞ぐ」「ぐるぐる回りながら天空へ飛翔する」意味があって、「イザナギが黄泉を塞いで高天原へ戻る」という日本神話の行動原理が反映されてたようなのです。
そういえばイザナギが天の浮橋から天の沼矛を「こおろこおろ(ぐるぐる)とかき回したり、国生みの時には天の御柱の周囲をぐるぐる回ったりしてるんですよ。イザナギ・イザナミのパワーは、やたらと回転力だったみたいな。
そもそも回転力と揚力(浮遊する力)が関係しているというのは、近年になり明らかになったことなんですけどね。例えば野球の投手が、ボールに強力な回転をかけながら投げることで、ボールは重力に反発して一時的に浮き上がったりすることですよ。また或いはヘリコプターはローター(プロペラ)の回転によって揚力を得ます。
そういえば「物体が回転すると軽くなる」という現象は否定されがちですが、「教えてgoo」に以下のような書き込みが。
非常に薄い記憶ですが、どこか(・・・確か、オストラリアだったと思う。)の大学で、「独楽」の研究をやっている研究室の方々が、軸の両端に回転する円盤を取り付け、その軸自体を円盤の回転面と直角の面で回転させられる装置を滑車に取り付け、反対側に水の入ったバケツをぶらさげてバランスを取り、装置を稼働させると装置側が軽くなって、バケツが下がるという実験をテレビで放送していました。
番組名など詳細は覚えていないのですが、かなりまじめな番組でした。
独楽の「歳差運動」の研究をしている方達で、ある条件を満たすと「軽くなる」という現象を放送していました。「教えてgoo」
ともかく古代の日本人のなかでは、何故か回転力と浮遊の関係が知られてたので、回転し浮き上がるという意味の「磐座」と言う漢字が当てられてたんですかね。
しかし磐の上の船ということで、「机上の空論」と言われても仕方なしな件。
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