最近ツイッターで、古代の天皇の「根子」っていまだ謎だと話題にしてました。今回は根子についての考察です。
○いつも助かっております
古代の根子ってなに?
日本の古代史を見ていると、やたら根子が登場するんですが。
根子はねこ。だから個人的には、猫を思い浮かべるしかないです。
実際のところ、根子は現在でも謎とされていまして、曖昧な想像でしか真相が語られてないです。
根子を冠する古代の人物
・孝霊天皇(大日本根子彦太瓊天皇/おおやまとねこひこふとに)
・孝元天皇(大日本根子彦国牽天皇/おおやまとねこひこくにくる)
・開化天皇(稚日本根子彦大日日尊/わかやまとねこひこおおひひ)
・持統天皇(大倭根子天之廣野日女尊/おほやまとねこあめのひろのひめ)
・元明天皇(日本根子天津御代豊國成姫/やまとねこあまつみしろとよくになり)
・元正天皇(日本根子高瑞浄足姫天皇/やまとねこたかみずきよたらしひめ)
・桓武天皇(日本根子皇統弥照尊/やまとねこあまつひつぎいやてりのみこと)
・平城天皇(日本根子天推国高彦尊/
・淳和天皇(日本根子天高譲弥遠尊/
・太田田根子(おおたたねこ)
・武振熊(難波根子武振熊/なにわのねこたけふるくま)
調べたらこんなにいました。おそらく他にもいるかもしれないです。
最初に登場するのが、欠史八代と呼ばれる実在性が不確かな天皇のなかに含まれている、孝霊天皇。
私見では崇神天皇が卑弥呼であると見ていて、「魏志倭人伝」で西暦180年代コロから卑弥呼が登場しています。
すると孝霊天皇・孝元天皇・開化天皇は、1世紀後半~2世紀後半の実在であると考えています。
それで肝心の根子の意味のほうですがー。ネットで根子を調べてみると、こんな記述があったりしました。
「オオ」は「大」で美称、「ネコ」は尊称を意味し、難波根子建振熊命や古代天皇の和風諱号に散見される。
根子は尊称であると、いうことが定説なのです。
しかし諡号(古代の貴人に対する、生前の事績をもとにした名前)の途中に尊称が入っているのも変な感じがしますね。
しかもこの解説、ちょっと物足りない感じがしました。何故なら猫について触れてなかったので🙄。
根子は猫なんだ
根子といえば猫。なのはもう頭から離れませんけども。正直言って、根子は猫で間違ってないんですよ。
その理由は、日本の山の名を調べることで分かったりします。
根子岳(ねこだけ)は、日本の山の名前である。
根子岳 (長野県) - 長野県と群馬県の境、四阿火山を構成する。
根子岳 (熊本県) - 熊本県の阿蘇山を構成する阿蘇五岳(あそごがく)のひとつ。阿蘇根子岳と記述する場合もある。
文化面では、根子岳には神様が怒ったために山容がギザギザになったという伝説がある(阿蘇山#伝説及び仮説参照)。そのギザギザになった姿が猫の形に似ていたから根子岳と名付けられた。
根子岳が長野と熊本の2ヶ所にあって、どちらも頂上部が猫様の頭部のように見えることから命名されたとか。
だから、根子岳は猫岳てことになる。
つまり古代天皇の「根子=猫」であることが、分かってしまいました。
この根子岳がいつからあるかは不明ですが、かなり昔から根子岳だったようです。
古代から日本に猫はいた。証拠がどんどん出てきた
猫と呼ばれるのはイエネコ(家猫)ですが、これら古代エジプト発祥で大昔にペット化された小型の猫種です。
「魏志倭人伝」を見ても猫の記録は無いので、倭国には猫はいなかったんでは?という意見が昔から根強かったです。ひと昔前の昭和のころは、家猫は奈良時代頃に大陸から連れてこられて、日本に定着したと言われてました。
しかし長崎県の壱岐のカラカミ遺跡(紀元前1世紀)で、家猫の骨が発掘されていました。壱岐にいたなら、筑紫周辺にいてもおかしくないようですが。
また近年には福島県の縄文遺跡から、猫の土偶が見つかったりもして話題になっていました。
縄文時代の人ってセンスあるかも!遺跡から猫ちゃんグッズ発見…といいながら実は詳細は不明?|まいどなニュース
要するに猫は縄文時代からいたけれど、記録には無いだけということです。
インド東部のベンガルヤマネコの亜種であるツシマヤマネコは、昔から対馬にいました。古代には九州本土にもヤマネコがいたのは確かですが、イエネコについても存在してたようですね。
そうすると「過去の記録には無いから実在しなかった」なんて学問にありがちな理論は、もう通用しないんだと猫が証明してくれたことになります。
根子は猫でねごで禰宜で禰ぐ
猫って何か、世界を悟っている感じがしませんか。近隣にいる猫は何か、人を格下に見てる感じがあったりしませんか。
世の中には人の言葉を理解する猫もいるようです。
日本の猫は昔から化け猫とか、猫又みたいな妖怪の姿で語られるんですよ。そして熊本の根子岳では、猫様という神様を信仰した痕跡が残っています。
古代エジプトのほうには猫の神様、天空の女神バステトがいたとか。
倭人には古代エジプトの要素が入ってるようなのは、エジプトの壁画を見てもわかりますし、バステト的な神様がいたのではと。
だから倭人は猫のことを、人知を超えた存在と見ていたのは間違いないところです。
ところで東北地方の方言は、個人的に昔から馴染みがあったのですが。実は東北では猫は「ねご」なんですよ。地方によっては「ねごっこ」とか言ってますが。
「ねご」って、「禰ぐ(ねぐ)」に似てないですか。禰ぐは禰宜(ねぎ)が名詞化したものだとか。
神社に奉仕する神職の総称。禰宜という語は「労(ね)ぐ」が名詞化したもので、神意を慰めるという義。神を祭り、神に祈(ね)ぐ(祈願)ことをつかさどる職業。古くは神主と祝(はふり)の中間に位置したが、現在の神職制によれば、禰宜は宮司(ぐうじ)・権(ごん)宮司の下、権禰宜の上に位置する。
なるほど禰ぐとは「労ぐ(労う/ねぎらう)」であり「祈ぐ」で、神意を慰めるとか神に祈願するといった意味があるとか。
すると「願う」は古語で「ねごう」で「ねご」だから、なんか禰ぐや猫と無関係ではないようです。猫が神様に通じることは、猫という言葉自体で表されているような感じがします。
すると古代の天皇が根子=猫を諡号に入れた理由は、一体なんだったのか。まさか猫が好きだったから諡号に根子を入れた?とは考え辛いところですが。
関係してきた言葉を並べてみると、
根子 ねこ
猫 ねこ ねご
禰宜 ねぎ
禰ぐ 労ぐ 祈ぐ(神意を慰める・神に祈願する)
願う 願 ねご(神に祈る)
つまり諡号の根子は尊称ではなく、古代には「神に祈願する禰宜」のことだったかもしれないです。
古代より天皇は神に祈りを捧げる場面が多数登場するように、禰宜、神主でもありましたので。しっくりと来るではないですか。
そして猫もまた神格化されたり、神通力、人知を超えた力を備えた禰宜的な存在として見られたのではないかと。
だから古代の天皇は根子の名により、禰宜と猫を意図したのかも。
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