たっちゃんの古代史とか

誰も知らない日本とユーラシア古代史研究。絵も本も書く。闇の組織に狙われてるアマ歴史研究者。在宅お仕事中。

神武天皇を救ったのは狼だったのか。狼の語源は大神で元はWolfだったのか。

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Gray wolf - Wikipedia, the free encyclopedia より

 

○いつも助かっております

 

 

王の祖先はオオカミである

 

トゥルク系、ギリシャ系、騎馬民族系の神話で、「王の祖先はオオカミである」という話があり。

例えば烏孫の昆靡(王)である昆莫の伝説に以下のようなものがあり。

 

昆莫

匈奴の西境にある小国の王であった難兜靡の子として生まれる。

匈奴によって父が殺されると、幼い昆莫は野原に棄てられた。しかし、昆莫の上空で鳥が肉をくわえて飛びまわり、狼がやってきて乳を飲ませたので、不思議がった単于(ぜんう:匈奴の君主号)は神だと思い、収容して育てることにした。

昆莫 - Wikipedia

 

この伝説は烏孫に限ったものではなくて、騎馬民族に共通してるとか。

突厥

突厥の先祖は平涼の雑胡で、姓は阿史那氏。後魏(北魏)の太武帝が沮渠氏を滅ぼしたため、阿史那は五百家をもって茹茹(柔然)に走り、代々金山に住んで鉄工に従事した。その金山の形状が兜鍪のようであり、俗に兜鍪を突厥と呼ぶため、突厥を号とした。或いは云う、その先祖は西海の北に国があったが、隣国に滅ぼされ、老若男女尽く殺された。一児のみは殺すのに忍びず、足の筋と腕を切断して大沢の中に棄てた。一頭の牝狼がいて、毎日そこで肉を与え、この男児に食べさせたので、死なずに済んだ。その後、男児は狼と交わりを遂げ、狼は身篭った。隣国の人間は再び人に命じて男児を殺させると、その側に雌狼が居た。派遣された者は殺そうとしたが、雌狼は神によって、忽然として海東へ至り、山上に止まった。その山は高昌の西北に在り、下ると洞穴があった。雌狼が中に入ると、方200余里の草の茂る平坦地に出た。その後、雌狼は10の男子を生み、その中の一姓が阿史那氏で、最も賢く、君長となった、故に牙門には狼頭の飾りを設け、本源を忘れていないことを示す。(隋書)

突厥 - Wikipedia

 

狼に関する文化

 オオカミ--狼に関する文化 - Wikipedia

アリストテレスの『動物誌』によると、ギリシア神話にてアポローンとアルテミスの双子を産んだレートーは牝狼であるとしている。また、古代ローマの建国神話では、双子の建国者であるロムルスとレムスは牝狼に育てられたとされる。牝狼の乳房を吸う双子を描いたローマ時代の像がカピトリーノ博物館に所蔵されている。

 

北アジアのテュルク系遊牧国家・突厥の中核となった氏族の阿史那氏には、戦いで置き去りにされた子供とアセナという牝狼の間に誕生した子供たちが阿史那氏の祖先であるという神話伝承があり、狼は阿史那氏のトーテムであったほか、近代のトルコ共和国でもトルコ民族の象徴として親しまれたりナショナリズムの象徴となったりしている。

 

シルクロードの経済人類学」栗本慎一郎著によると、突厥の前身は阿史那で、その前身は烏孫だとか烏孫阿史那→突厥 となってるみたいな。

さらに栗本氏は 烏孫→倭 についても指摘してるわけですが。

突厥はトゥルクの音写。突厥の発祥伝説は、西海(地中海)から中央アジアへ移住し、窮地を狼に救われ発展した物語なのですよ。 おそらく烏孫も同様に、地中海から中央アジアへ至っているんですよ。「西から東へ」という烏孫の人々の移動ルートがここで明確に存在するんですよ。

 

日本の古代天皇家烏孫に関係してるなら、日本神話のなかに「狼を先祖」とする話しがあってしかるべきことになるわけなんですが。

しかも神武天皇と昆莫の同一性を指摘するなら、神武天皇の先祖は狼という話があるはずだが、それは無い?

と思っていたら、関係する話しがあったみたい。

 

日本武尊と白犬(狼)

ひとつ古代天皇と狼に関連があるとすれば、日本武尊の東征にまつわる伝説。日本武尊景行天皇の皇子。

日本書紀」の中で、東征中に山道で迷った日本武尊を白犬が導くという伝説があり。

東京都青梅市の武蔵御嶽神社では狛犬が狼、魔除けの御札も狼となってるのだが、これは日本武尊がこの地で白狼に助けられたことにちなむという。ウィキペディアには書いてない。

武蔵御嶽神社 - Wikipedia

埼玉県秩父市三峯神社でも、神の使いである狼を守護としていて、これも日本武尊の伝説にちなむ。

三峯神社 - Wikipedia

 埼玉県秩父郡長瀞町宝登山神社。元は日本武尊の危機を救った巨犬を祀った神社。

宝登山神社 - Wikipedia

 

ということで、日本武尊を助けた白犬の正体とはおおかみであり、天皇家日本武尊がおおかみに助けられた伝説が存在したんです。この点はトゥルク、ギリシャ烏孫との共通点ということですよ。

 

神武天皇の先祖にいる狼=大神

それにしても神武天皇が狼に救われたという伝説は存在してないように見えるのは何故なんだろうか。そこにはおそらく一つのからくりが存在していて、実際には神武天皇は狼に助けられてたんじゃないかと考えることができるのだ。

 

昆莫の伝説を分析してみると、神武天皇と共通しているところがあるんですが。

上空で鳥が肉をくわえて飛びまわり、狼がやってきて乳を飲ませた

「鳥」と「狼」に助けられたという設定になってる。

神武天皇八咫烏と金鵄という鳥に助けられているから、鳥は当てはまってます。

では狼はどこにいるだろ~か。これを解くには狼の語源を調べることが必要なのでした。

狼(オオカミ)とは - コトバンク
おお‐かみ

1 《「大神」の意》

 

狼(おおかみ) とは - 由来・語源辞典
狼の由来・語源

日本では絶滅してしまったが、かつては山の神の使いとして信仰の対象でもあった。
「大神」が語源。また、「大口の」という枕詞があって、大きな口をもつ狼の意で「真神(まがみ)」にかかるように、狼は神に擬せられる動物の中でも新の神を考えられていた。

つまりおおかみとは、本来「大神」と語源を同じくするのであると。

だとすると記紀神話神武天皇を救った狼=大神がいたではないですか。

 

天照大神=天照狼(おおかみ)

日本書紀(上)宇治谷孟・著」p94にこうあり。

天皇はひとり、皇子手研耳命(たぎしみみ)と、群を率いて進み、熊野の荒坂の津に着かれた。そこで丹敷戸畔(にしきとべ)という女賊を誅された。そのとき神が毒気を吐いて人々を萎えさせた。このため皇軍はまた振るわなかった。

するとそこに、熊野の高倉下(たかくらじ)という人がいた。この人のその夜の夢に天照大神が武甕雷命(たけみかづち)に語っていわれるのに、「芦原の中つ国は、まだ乱れ騒がしい。お前が往って平らげなさい」と。武甕雷命は答えて「私が行かなくても、私が国を平らげた剣を差向けたら、国は平らぎましょう」といわれた。天照大神は「もっともだ」と。

そこで武甕雷命は、高倉下に語って、「私の剣は名をふつのみたまという。今あなたの倉の中に置こう。それを取って天孫に献上しなさい」と。高倉下は「承知しました」と答えると目が覚めた。

翌朝、夢のおつげに従って、庫を開いてっみると、果たして落ちている剣があり、倉の底板に逆さにささっていた。それを取って天皇に差上げた。そのときに天皇はよく眠っておられたが、にわかに目覚めていわれるのに、「自分はどうしてこんなに長く眠ったのだろう」と。ついで毒気に当っていた兵卒どもも、みな目覚めて起き上がった。

 

皇軍は内つ国に赴こうとした。しかし山の中はけわしくて行くべき道もなかった。進みも退きもならず、迷っているとき、夜また夢をみた。天照大神天皇に教えていわれるのに、「吾は今、八咫烏(やたがらす)を遣わすから、これを案内にせよ」と。はたして八咫烏が大空から飛び降ってきた。

天皇がいわれる。「この鳥のやってくることは、瑞夢に適っている。偉大なことだなあ。さかんなことだなあ。天照大神がわれわれの仕事を助けようとして下さる」と。

天皇軍が弱り果てていた→天照大神(狼)が八咫烏(鳥)を派遣して助ける

烏孫の昆莫が野に棄てられてた→鳥が肉をくわえて飛びまわり、狼がやってきて乳を飲ませた

これは比較神話学的な見地からすると単純にみて「王が、狼と鳥に、救われた」ことを意味しており、元は同じ系統の伝説または神話とみることができるわけなのですよ。

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烏孫は元々、地中海地方の人々だったことが想定されますが。

 そうすると日本語のおおかみの語源が地中海地方にあっておかしくないのでは、という気がしてくる。

なぜかというとおおかみは本来「おほかみ」なのだから。「かみ」は「神」で間違いない。日本にいた狼という動物は、どちらかと言えば小型犬~中型犬サイズなので「大きな神」かどうかと言えば当てはまってない。

だから元々「おほ(をほ)」と呼ばれていた動物を神として崇め、後に大神や狼の字を当て、神話伝説自体を天照の話と融合させた、と考えることができてしまうのだ。するとおほ=をほとは一体なんなのか?という疑問が出てきますけど。

 

ところで話は変わって、いま「あいうえお」の5母音である日本語の、五十音に含まれる「を」は、本来の発音が「wo」であって「うぉ」と書くのが正解だった。ところが時代の流れで「うぉ」の音は失せて「お・を」は現在は同じ音として使われるようなってしまった。平安時代までは日本語の母音は8母音あったとか。

いま「水を掛ける」と言ってるのは、古代には「みどぅうぉかくる」と発音したとか。

ここで神代文字というものが今ひとつ信用できない理由が浮き彫りになってくるのですが。縄文時代からそのまま残ってるとすら言われて誇大に扱われる神代文字を見ると、母音が何故「あいうえお」の5母音しかないんですよね。この点は偉い先生は説明しなければいけませんが・・・。神代文字縄文時代から残ってるなら8母音分の神代文字がないとおかしいではないか?

 参考

上代特殊仮名遣 - Wikipedia

 

話は戻って、

「おほ(をほ)」はローマ字にするとwohoで、これはwofoと言って過言でない。つまり狼とは西洋でいう狼を表すことば「wolf」とよく似てくることは、気づくべきなんじゃないだろーか。 

ちなみにBABELで検索すると

狼(おおかみ、オオカミ)
読書 英 ウルフ wolf
読書 英 ウォルフ wolf
読書 独 ヴォルフ Wolf
読書 仏 ルー loup
読書 仏 ルーヴ louve (雌狼)
読書 伊 ルーポ lupo
読書 西 ローボ lobo
読書 中 ロボ lobo
読書 羅 ルプス lupus
読書 希 リュコス λυκος
読書 露 ヴォールク волк
読書 中 ラン 狼
読書 マレーシア語 スリガラ serigala
読書 オランダ語 ウォルフ WOLF

BABEL 〜世界の言葉〜狼

こんなふうになってた。欧州系のwolfと、日本語のおほ、をほ=wohoが元々同じところから出ている、そんな想像ができるわけなんです。

だから神武東征とは、地中海地方から中央アジアへ向かった話しであり、その流れで日本列島に到達して言葉の移植が行われてると考えることができるんですけども。

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それを説明するために日本列島を世界の雛形としてる。

 

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 そういえばなぜ天照大神(狼)が武甕雷命(たけみかづち)を単身赴任の対象に選んだかです。武甕雷命は「雷神」なんです。雷は「いかづち」と言って武甕雷命の名前では「甕」の発音と融合されて「みかづち」になってますが。

雷神は光の速さで一瞬で遠方まで到達できるからスマート(手際よい)、そんな意味も含まれるかもですが。

 秦氏が持ち込んだのが稲荷信仰でした。稲荷というのはお米の豊穣神という一面のほか、雷神としての意味ももってたんですね。雷の光のことを「稲光り」というふうに言いますが。これは稲荷神と雷の関連付けがされているわけなのです。

稲荷神社の狛犬は獅子でなくキツネですが。ここで天照狼と武甕雷命がタッグを組んでる理由も分かる気がしますね。

 

神武天皇の時、イヌ科の狼(天照大神)と雷神

稲荷神社   イヌ科の狐(狼)と稲荷(雷神)

 

 狼と狐、野生に住むイヌ科でよく似てますけどね。

 イヌ科(イヌか)は、動物界 脊椎動物亜門 哺乳綱 ネコ目(食肉目) イヌ亜目に属する1科である。

イヌ、オオカミ、キツネ、タヌキなどを含む群である。

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かわいい。

イヌ科 - Wikipedia

 つまり秦氏は元々は中央アジアにいた地中海系民族の流れだったから、オオカミ信仰があり、それをキツネに置き換えているであろうと。稲荷の狛犬が何故キツネなのかの理由はこのへんに求められるんではないかと。烏孫秦氏が結びつくわけなのですが。

まあこれは別にどうでもいいんですけど。

 

狼=大神=おほ神=wolf神であるという話でした。

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ちなみに日本語と外国語が良く似てる仮説、過去の記事はこちら。

以前にまとめた記事

日本語は夫余語か

日本語のまじない(majinai)と、英語のmagicの語源は同じ?

トルコ語と日本語は似てるとか

ウズベク語と日本語は似てるというド素人研究

参考に。

 

 

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