古代世界にあって、銅戈(どうか)とは武器であるわけですが。
戈は「ほこ」で矛と読みが同じですが、違う種類の武器です。今回は古代の戈についてのおはなし。
○いつも助かっております
卑彌呼事鬼道能惑衆
魏志倭人伝には、兵は矛を持つ、鉄鏃を使うとあり、邪馬台国には兵が居て守衛しているとあります。
この武器は、銅製なのか鉄製なのかというところですが。
魏志で卑弥呼の用いた鬼道について短い文章があり、また当時の宗教観も垣間見れるところもあります。それらの文章を抜粋してみると。
卑彌呼事鬼道能惑衆
(卑弥呼は鬼道をもちいて民衆を惑わせた)中国正史日本伝より
鬼道の正体は道教だと定説付けられ、それは三角縁神獣鏡銅に道教の神である西王母・東王父が描かれているためであると言われたりしますが、本当だろうか?
上に著した字の中から、卑弥呼の鬼道の正体が垣間見えるのではないかと思いました。
それは「惑」の文字の字解により明らかとなります。
惑を辞書でひくと
会意形声。心+音符「或(ワク)」。「或」は、「弋」(くい)+「囗」(かこい)+「―」で領域を区切ることを意味する会意文字。
域の原字。又は、「戈」は矛で武力、「一」は土地、「口」は領土を表したもの。
心の動きが狭くとらわれ、広く判断ができないさま。
「惑とは、狭い場所で戈(ほこ)を用いる宗教儀式」を表す漢字なのですね。
「狭い島国で戈が多く出土するといえば、北部九州」
「魏略」の編者魚豢、「魏志」の編者陳寿らは、少ない文章の中に、できるだけ倭の習俗にふさわしい漢字を用いたと思われます。
民衆を幻惑する鬼道の一文に惑の字を用いたのも、その文字がふさわしいと判断されたためかもしれんです。
日本列島の中で、銅矛・銅戈・銅剣といった青銅製武器の出土地は、今の所かなり偏っていることが知られます。
青銅製武器の出土状況は、どう見ても北部九州を中心とした場所になってくるとか。畿内からは、青銅武器の出土がほとんど無いのですよね。
すると卑弥呼の居場所は、戈が大量に出てくる北部九州が有力になるんですけど。
惑の1字で青銅製武器を用いた祭祀とわかる
以下は2022年に書き換えたところです。
「卑彌呼事鬼道能惑衆」の惑の一字の解釈で、卑弥呼の居た場所は「北部九州を中心とした青銅製武器の出土地」という感じがしてきたわけですが。
卑弥呼が行った鬼道の祭祀は、いまどんなものかは分かっていません。神道の儀式とは全く違ったものだったようです。
おそらく戈を使った祭祀だったのでは、と思うのですが。
何故か?
際しに戈を使ったからこそ、「卑彌呼事鬼道能惑衆」と惑=戈の字を用いたような気がしてなりません。
戈の意味に
心の動きが狭くとらわれ、広く判断ができないさま。
とあったわけですので。
これが「卑弥呼は鬼道を用いて民衆を惑わせた」ことと、ぴったり整合しているようであります。だから卑弥呼は鬼道の儀式で、矛を使ったことは間違いないでしょう。
皇室では今も三種の神器の草薙の剣を、皇位継承の証としたり、剣を使った儀式が残っています。天皇は神主としての役割があるわけで、これも元は古代神道の儀式の名残だとすれば?
卑弥呼は戈を使って神に祈ったのも、特におかしいといった感じもないですね。銅
戈(どうか)なだけに、そこんとこ、どうかな?なんつって。😨
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