順調ならば4月に引っ越して、ヒキコモリ生活を始めようというところ。
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日本神話の全てが、中東やヨーロッパ神話の移植とは思わないです。日本固有の神話が、日本列島に色々あるはず。
でも確実に、日本神話の中にはアッチの神話が入っているんですよ。
だから中東神話を、中東からの視点じゃなくて日本視点で見れてしまう。日本神話を解き明かしていくことで、中東や日本の歴史が、多角度的に鮮明に見えてくる、というわけなのではないかと。
この記事が執筆されたタイミングがアレですが、たまたまであって悪意は無いので。
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○いつも助かっております
1の続き。
バベルの塔の建設者ニムロドは、日本神話の中にも入り込んでいたという話。
これがホントだとすると、おそらく旧約聖書の叡智が、日本へもたらされてることが確定できる要素のひとつになります。「日本書紀」編纂以前の古墳時代~飛鳥時代には存在したんですかね。
バベルの塔の話を要約すると、
(1)・ノアの方舟の後、バベルの塔の建設のために人が集まった。建設者代表は「火の男ニムロド」。
(2)・煉瓦をつくろう。火で焼こう。石の代わりに煉瓦、漆喰の代わりにアスファルトで建設しはじめた。
(3)・塔の先が天に届くほど高い。
(4)・神がバベルの塔を知って不快に思い、言葉を散らして会話できないようにした(塔の崩壊)。
(A)・ミドラージュによれば、火の男ニムロドが、アブラハムの弟ハランを焼き殺した(殺害状況)。
(B)・ということで、ニムロドは神とアブラハムの敵として認識された(敵対)。
これが実は日本神話の中にもあったんですよね。
え?こんな話は日本神話に無い?いえ、ありました。
それはどこかというと、「火の軻遇突智神(かぐつち)」のシーン。
カグツチとは、記紀神話における火の神。『古事記』では、火之夜藝速男神(ひのやぎはやをのかみ)・火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)・火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ;加具土命)と表記される。また、『日本書紀』では、軻遇突智(かぐつち)、火産霊(ほむすび)と表記される。
神話の記述
神産みにおいてイザナギとイザナミとの間に生まれた神である。火の神であったために、出産時にイザナミの陰部に火傷ができ、これがもとでイザナミは死んでしまう。その後、怒ったイザナギに十拳剣「天之尾羽張(アメノオハバリ)」で殺された。
カグツチには、ニムロドが習合されてたのですよ。どういうことなのかを解説。
まずカグツチの名前から見てみる。
カグツチの名前
・火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)古事記
・火産霊(ほむすび)日本書紀
こんなにあり。
ぶっちゃけ神の別名が多すぎる場合、1人の神に、複数の違う出身の神を習合してるのが明らかではないかと。これが日本神話の構造の一つ。
カグツチの場合も、複数の別の火神が習合しているんではないかと。カグツチを構成する神の1人が、「旧約聖書」のバベルと火の象徴ニムロドということです。
でも上記の名前リストに、ニムロドっぽい名前がない、おかしい。
ではやっぱり漢字の一字一字に、バベルの塔とニムロドの話を込めているのか。と思って「学研漢和大字典」で調べました。
・ 軻遇突智の漢字の意味と解釈
軻 ①むりに押し込んで車の軸をはめる。車がきしるさま。②轗軻とは事の思うように運ばないさま。③軻峨とはごつごつして高いさま。
バベルの塔は「無理に建てたが思うようにいかなかった象徴」であり、「ごつごつして高い」が当てはまっていますね。
遇 ①あう AとBがひょっこりあう。②相手と関係しあう。[解字]逢は両方が近づいて頂点で出あうこと。(逢と同系)
バベルの塔では「大勢が出会って建設を始めた」、「頂点で神と出会ったこと」が当てはまってるようですね。
突 ①つく つき出る。平面から急につき出す。ある部分だけ高くつき出たさま。②ぽんとつき出しているさま。③つき出たもの「煙突」
バベルの塔は「突き出た塔」なのでそのまんま。
智 ①さとい 物事をずばりと会得したり、あてたりできる。知恵や術にすぐれている。
これは何かと考えたのですが、「ニムロドがバベルの塔を立てる知恵や術にすぐれている」を言うのかと。
全体としてみてバベルの塔のことを表す漢字ばかり並べられていたんですね。
8万字以上あるという漢字のなかで、バベルの塔の特徴に合う漢字だけが4文字並ぶのは、果たして偶然の一致なのですかね。
・迦具土の漢字の意味と解釈
火之迦具土
火 ①ひ 物を燃やして光や熱を発するひ。⑥火のような怒り。かんしゃく⑦火で焼いたり煮たりすること。[解字]もと𤈦(やけてなくなる)毀(形がなくなる)などと同系のことば。
ニムロドは「火のように怒りハランを焼き殺した」のであり「バベルの塔は形がなくなった」のであるので、あっているのですね。ここまで一致すると、もしかすると「火」という漢字自体、バベルの塔を表したのかもしれませんね。
之 接続詞。
迦 ①行きあう。であう。一説に解脱するさま。【迦・膩色・迦王】西暦2世紀頃、インド北方および中央アジアの一部を領有した王。
バベルの塔では「人々が出会って建設をはじめ」、「神と出会った」んですよね。インド北方の王の名前を出すことで、舞台がユーラシア大陸の西方だったことを印象づけているようです。
具 ①そなわる・そなえる おぜんだてがそろう。⑤ともに
バベルの塔は、「崩壊のお膳立てがそろった場所」なのですね。とするとバベルの塔の崩壊は、最初から決まってたんですね。
土 ①つち ⑦五行の一つ。方角では中央、色では黄色、時では夏の土用、味では甘、内臓では肝に当てる。⑧星の名、土星。⑩土盛りをして土地の神をまつったもの。⑪はかる[解字]土を盛った姿を描いた象形文字。
バベルの塔は中央に位置し、黄色い土色であり、夏の時期に完成したんですかね。土星というのは英語で「サタン」のことです。バベルの塔の建設者ニムロドが、欧州ではサタンと呼ばれていたことと、奇妙に一致してますね。「土」という漢字もバベルの塔を元にしている可能性がありそう。
という風にここでも、バベルの塔に関係する漢字が使われていました。
カグツチを斬った武器「天之尾バベルの剣」
イザナギがカグツチを斬ったのですが、「古事記」を読むとその時の剣の名称が出ていました。「天之尾羽張剣(あめのおはばりのつるぎ」。
「羽張(ハバリ)」って羽根を張った剣みたいですが、音だけ取ればバベルですね。
羽張 ha-ba-ri
バベルba-be-l
ニムロドが集合されてるカグツチ神。彼を斬った剣に、バベルの塔の名前をなづけていたのですね 。バベルの塔の場面とわかりやすいように。天はシュメールのアン神や、エジプトのアメン神のこと。
そしてこの剣は別名を「伊都之尾羽張剣(いつのおはばりのつるぎ」といったのですね。アブラハムの後の世代がイスラエルを建国したので、この伊都とはイスラエルのイス(伊都)のことなのではないかと。
ココまで来たら、バベルの塔の物語がカグツチの物語と、整合しているんではないかと分かってきますね。では最後に両者を比較。
1・舟のあとに塔
バベル1・ノアの方舟の後のこと。バベルの塔の建設のために人が集まった。建設者代表は「火の男ニムロド」。
カグツチ1・イザナギがヒルコを葦舟で流し、あるいは天の鳥船を生んだ後のこと。バベルの塔の意味を持つ、カグツチが登場。
2・塔の材料の提示
バベル2・煉瓦をつくろう。火で焼こう。石の代わりに煉瓦、漆喰の代わりにアスファルトで建設しはじめた。ちなみにバベルの塔では、上まで水を汲み上げた(塔の材料の提示)
カグツチ2・イザナミがカグツチを生むと、イザナミは病に陥った。そのときに金山毘古神・金山比売神(金・鉄)、波迩夜須毘古神、波迩夜須比売神(土)、ミツハノメノ神(水神)、ワクムスヒ神(瓶神)を生んだ。(塔の材料の提示)
3・完成した塔の様子
バベル3・塔の先が天に届くほど高い。(完成した塔の様子)
カグツチ3・迦具土の「土」は「土を盛る」。軻遇突智の「軻」は高い、「突」は「ぽんと突き出たさま」。イザナギが持っていた剣は別名「十拳剣」で、長い剣の意味。「長い剣=高い塔」を示唆する。(完成した塔の様子)
4・塔の崩壊と部族の拡散
バベル4・神がバベルの塔を知って不快に思い、言葉を散らして会話できないようにした。バベルの塔から、世界に民族と言語が散らばった。(塔の崩壊と部族の拡散)。
カグツチ4・イザナギはカグツチを不快に思い、体を3段(あるいは5段)に斬って殺した。カグツチ神の体が散らばり、様々な日本の神が生まれた。(塔の崩壊と部族の拡散)
ミドラーシュの要素A・殺害状況
バベルA・火の男ニムロドが、アブラハムの弟ハランを焼き殺した(殺害状況)
カグツチA・火の神カグツチが、イザナギの妻イザナミを焼き殺した(殺害状況)
ミドラーシュの要素B・敵対
バベルB・ニムロドは神とアブラハムの敵対者として描かれた
まぁ、こんなふうに、ほとんど完全に一致してたんですよね。世界の民がひとつから多数に分かれていく瞬間を描いた、バベルの塔・ニムロドと、カグツチの神話の内容は。
誰も気づかなかったのは、名前が違っていることや、表現方法が異なっていたせい。そして「旧約聖書」と記紀神話に共通する要素なんかあるはずない、という先入観のせいでしょうかね。
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