原稿が8割方まとまって来た所ですが、いろいろ考えていたら何か鬱になって来ました。今回は前方後円墳矢印説で解明する大仙古墳の被葬者について、かいつまんで取り上げます。
○いつも助かっております
大仙古墳のデータ
全長486m。
5世紀前半の築造。
被葬者治定:仁徳天皇
仁徳天皇の事績
・大鷦鷯尊の誕生時、産殿にミミズクが飛び込んできて、武内宿禰が応神天皇に吉兆であると話した。
・仁徳天皇の異母弟に速総別(はやぶさわけ)、その妹女鳥王(めどりのみこ)。
・仁徳天皇の諡号は「大鷦鷯尊(おほさざきのみこと)」で、『学研漢和大字典』によれば、鷦鷯とはミソサザイ(サザキ)という、雀に似た小さな鳥を意味します。
・諡号「大鷦鷯」は、鳥を2匹繋げている特殊な名前。
・古事記の諡号は「大雀命(おほさざきのみこと)」で、やはり鳥。
・仁徳紀では、幾つもの鳥に関する歌が詠まれている(日本書紀)
・百舌鳥の由来は鹿の耳にモズが飛び込んで死んだところから(日本書紀)
仁徳天皇 - Wikipediaなどより
これが古墳の謎を解く上で重要でした。
調査結果:前方部方面
まず大仙陵古墳の中心軸を測って、その線をまっすぐ延長していくのです。
すると、線上に仁徳天皇と、鳥に関係する地名が連続すると判明します。これが前方後円墳が個人情報を指し示すという、前方後円墳矢印説です。
(これは井上赳夫氏が『日本古代史の謎は解けた』で主張するところの「前方向法則」です)
まず、和名抄の郡郷名があれば、ある程度古い地名と判明。しかし八幡神社の創始は欽明天皇の時代(571年)らしいということで八幡神社は除外する・・・というふうにこれらの見つけた地名の中から、後世の建物をどんどん削っていく・・・。そして結局仁徳天皇の時代にすでにあったであろう地名を残していくと、こうなったわけですが。
大仙古墳が築かれている大鳥郡の百舌鳥耳原から、→鶴田町→鳳南町(鳳)→鶴山台→黒鳥町(黒鳥天満神社)といった並びがあり。
一直線上に幾つもの鳥の地名が並んでいるのは、仁徳天皇にちなむようで意図的な配置と言えます。
鶴田町と鶴山台は何時の時代の地名なのか判別不能で、それ以外はすべて奈良時代以前からの古地名でした。
和歌山県内では、鳩羽山→且来八幡神社。八幡神社は、鳩を八幡神の御使い・シンボルマークとしていますので。
さらに
→幡川(鳩)→鳥居→雲雀山→衣奈八幡宮(鳩)→、高坪山(鷹)
といった感じで、仁徳天皇にちなむ鳥の地名が続いていくわけです。
調査結果:後円部方面
大阪府内では我孫子(アヒルの子)→鶴見区→常磐町(朱鷺)→音羽町(鳥の羽)→高塚町(鷹)→八幡(鳩)
と鳥の地名が羅列します。
京都府内を見れば、羽束師志水町、羽束師坐高御産日神社→羽束師鴨川町→上鳥羽→鷲尾町。
京都の鳥羽は、昔から山城国紀伊郡鳥羽郷があったことに由来していました(和名抄より)。
滋賀県内では、比叡山延暦寺の北方に「比叡山鳥類繁殖地」。文化庁の「国指定文化財等データベース」によれば、1930年に天然記念物の指定、「各種ノ鳥類殊ニ有益小禽類ノ蕃殖地トシテ関西地方ニ於ケル著名ノモノナリ」。これは偶然なのかもですが。
そのさきに、高島市高島(鷹)。
福井県内では敦賀市(鶴)→鵜甘神社→八幡神社→鹿谷町西遅羽口→高尾岳(鷹)と鳥の羅列。
石川県白山市の両白山地中に鷲走ヶ岳→鷲走谷→八幡神社(鳩)→高倉山(鷹)→烏帽子山、高尾山(鷹)→八幡神社(鳩)→鷲岩→正八幡大神宮(鳩)→八幡宮(鳩)→護国八幡宮(鳩)→八幡宮(鳩)→八幡社(鳩)がありました。
これは偶然とは言え無いのです。
調査結果:東側の造出し方面
仁徳天皇陵の造出しが応神天皇陵を示すのは、親子関係を表すものかもしれません。
まとめ
鳥の名を連続させることで、大鷦鷯尊(仁徳天皇)の御陵であることを示すものと結論付けました。
古墳築造年代が、やや合わない?仁徳天皇陵は上石津ミサンザイ古墳ではないか?いいえ、間違いなく大仙古墳は仁徳天皇陵であろうと考えます。
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