たっちゃんの古代史とか

誰も知らない日本とユーラシア古代史研究。絵も本も書く。闇の組織に狙われてるアマ歴史研究者。在宅お仕事中。

東夷諸国の故国

魏志倭人伝として知られる三国志魏書東夷伝倭人条。東夷伝倭人条でわかる通り、倭人も東夷という枠の中の存在でした。
この魏書東夷伝には倭国のほか、東夷諸国の実情が記録されてます。
東夷伝に先立っては、烏桓伝と鮮卑伝があり、それぞれ魏の北方にあった、烏桓と鮮卑について書かれてます。その後、東夷伝の中に、扶余条、高句麗条、東沃沮条、挹婁条、濊条、韓条(馬韓弁韓辰韓)、倭人条という構成になってます。韓は三国に分けてあり、烏桓、鮮卑、東夷の合わせて11ヶ国が記録されてるわけでした。

この11ヶ国それぞれは、近隣諸国からの影響や、その国の出自がどこにあるかなども書かれてます。例えば高句麗人は、出自が扶余にあると述べているし、辰韓は秦の影響が濃いことが書かれてるのです。
後漢書と晋書も含め、それらの記述を抜き出し、纏めた結果は以下の通りです。

国     先祖の国・民族
烏桓  東胡(ツングース)族(三国志魏書)
鮮卑  東胡(ツングース)族(三国志魏書)
扶余   濊の土地(三国志魏書)・亡命者と自称(三国志魏書)
高句麗  扶余(三国志魏書)
東沃沮  高句麗と同種(三国志魏書)
挹婁 粛慎国(三国志魏書)
濊  殷の箕子(箕子朝鮮候)が教え導いた(三国志魏書・後漢書)・高句麗と同種(三国志魏書)
馬韓  燕の衛満(三国志魏書)・朝鮮候の準(三国志魏書)・戸来(三国志魏書)・南界は倭に近い(後漢書
弁韓  倭人に近い(三国志魏書)
辰韓  辰国・秦からの亡命者と自称(三国志魏書)
倭国   倭の風俗は儋耳朱崖に似ている(三国志魏書)・呉の太伯の末裔を自称(晋書)


さらに以上の11ヶ国を、次のように分類することができるかと思います。
東胡系 烏桓、鮮卑
扶余系 扶余、高句麗、東沃沮、濊、馬韓(百済)
中国系 馬韓辰韓(新羅)、濊
倭国系 倭国弁韓馬韓(南界)
粛慎系 挹婁

馬韓は後に扶余王族が百済を建国するので、それも付け加えました。また、扶余の故地に索離国とあるのですが、どこかわからないので省略しました。