たっちゃんの古代史とか

誰も知らない日本とユーラシア古代史研究。絵も本も書く。闇の組織に狙われてるアマ歴史研究者。在宅勤務の自営業。

倭迩迩日百襲姫の謎。2

倭迩迩日百襲姫が卑弥呼と同一人物である理由としては、卑弥呼と対立していた狗奴国(くなこく)の卑弥弓呼と、崇神天皇のときに謀反を起こした武埴安彦命との、一連の出来事の相似が挙げられます。この説は書籍やインターネットの個人ウェブサイトで既出のものだとおもいますが・・・(これが書かれた本を見つけられない)

魏志倭人伝によれば、邪馬台国の南方には、狗奴国という女王国に属さない国がありました。王の名は卑弥弓呼(ひみくこ)で、狗古智卑狗(くこちひく)という官がいました。

正始八年(247年)、倭の女王卑弥呼と狗奴国の卑弥弓呼の軍が、互いに諍う様子が記されています。魏は倭国の大臣である難升米に詔書と黄巾を授け、倭国と狗奴国の争いに魏が介入することを示しました。この直後、どういうわけか卑弥呼は死んでしまったと書いてあります。魏志ではその死因も明らかにはされていません。

この一連の出来事と、日本書紀古事記の中の武埴安彦の乱は、まったく同じ出来事である可能性があります。以下に魏志日本書紀の2つの記述を単純に比較してみます。

日本書紀 武埴安彦命が謀反を起こそうと企む
魏志倭人伝 狗奴国は女王国に従属しない・卑弥呼は卑弥弓呼と元より和せず

日本書紀 武埴安軍と四道将軍(天皇軍)の戦い
魏志倭人伝 倭国と狗奴国、相攻撃する

一つ定説外の指摘を加えてみますと、魏志に登場する狗奴国の官で狗古智卑狗は、古事記にのみ登場している丹波国の玖賀耳御笠(くがみみのみかさ)と同一人物かもしれません。
玖賀耳御笠は丹波国に派遣された彦坐王(ひこにいますのみこ)に殺されています。

古事記の玖賀耳御笠と魏志倭人伝の狗古智卑狗の名を比べてみますと、接頭の玖賀と狗古で一致が見られます。玖と狗は同音異声の字で、賀と古は頭子音は共通していて主母音は異なっていますが、上古音でkukaとkukoですので、大きな差はないと思います。
また、智に対応するのは耳ですが、もし耳をジと読んでも良いとしたら、玖賀耳(クカジ)と狗古智(クコチ)でよく似てきますので、同一人物の可能性は高まるかもしれないです。

手元に戦後まもなく初版発行された「明快古語辞典」という、愛用の使い古した古語辞典がありますので、これでよく調べてみました。
「御笠の山」という項目があって、「天子の御笠となって近き衞りをする意」とあります。天子というのは天孫・天皇族のことで、つまり玖賀耳御笠の御笠は、卑弥弓呼の狗奴国軍の指揮統率をつかさどる大将のような意味であるかもしれません。仮説です。
ちなみに卑狗はヒクで、彦、これは男子を誉めて言うことばで、女性の場合は姫となります。


次に、卑弥呼と大物主の関係性と、魏志倭人伝との共通箇所を探っていきたいと思います。

魏志倭人伝では女王卑弥呼と狗奴国の卑弥弓呼の争いの直後に卑弥呼は死んでしまってます。死因もはっきりしてませんが、とにかく狗奴国との争いの同年、争いの直後の記述です。
日本書紀のほうでは、モモソヒメが大物主との結婚の直後に死んでしまうという逸話が挿入されています。モモソヒメの5回目の登場のエピソードです。(倭迩迩日百襲姫の謎1を参照のこと)信仰する神様と結婚したというところですでに、神懸りというか、個人的には死を連想してしまうのですが。
大物主神との結婚のエピソードは、仮に死の直前の儀式であったり、後に別な逸話と関連付けられ挿入されたのかもしれません。

魏志倭人伝 卑弥弓呼との争い →        → 卑弥呼死亡
日本書紀  武埴安彦との争い →神との結婚(儀式?)→ 倭迩迩日百襲姫死亡

ともかく日本書紀魏志倭人伝では、話の流れは似通ってくると思います。

3に続く